調理師 過去問 2017年度版 part6 51~59
問題51
スチームコンベクションオーブンの機能に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.自然対流式のオーブンより温度管理が難しい。
2.蒸気を使用する時、最高温度が100℃である。
3.焼き物、煮物、蒸し物調理が可能である。
4.フィルムに密閉された食材( クックチル )には不向きである。
正解→ 3
解説
3.焼き物、煮物、蒸し物調理が可能である。
が正解です。
「スチームコンベクションオーブン(スチコン)」は、熱風の対流によって調理する「コンベクションオーブン」
に、蒸気発生装置を取り付けた加熱調理機器です。
1台で、焼く、蒸す、炊く、煮込む、炒める、茹でるなどの調理ができ、短時間で大量調理をする時に適して
います。
1.
× スチコンは、T.T管理(加熱温度と時間を管理する機能)がついており、温度管理が簡単です。
庫内の温度を一定に保ちながらムラなく加熱することができます。
2.
× 100℃以上の高温調理が可能です。
4.
× クックチルにはスチコンが用いられています。
クックチルとは、芯温を75℃で1分加熱した食材をフィルムに密封し、急速に芯温3℃まで冷却する調理法です。
味を損ねたり細菌が繁殖することなく保存でき、再加熱して提供することができ、病院食やレストラン食の
調理施設で普及しています。
問題52
食塩の作用に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.魚介類に食塩を加えると、塩に溶けるたんぱく質が溶出してぬめりが増す。
2.白菜に食塩を加えると、浸透圧の作用により野菜中の水分が出てしんなりする。
3.いかの塩辛の食塩は、塩辛中の水分活性を上昇させることにより、微生物の生育がしにくくなる。
4.肉、卵などの加熱調理に食塩を加えると、たんぱく質の凝固を遅らせ、固まりにくくなる。
正解→ 2
解説
1.
× 魚介類に塩を加えると、たんぱく質の流出は起こりますが、ぬめりではなく弾力が出ます。
選択肢の文中一部だけが誤っていることもあるので、しっかりと読むようにしましょう。
2.
○ 野菜に塩を振ると、浸透圧によって野菜の水分が出て、しんなりとします。
浸透圧とは、塩分の薄い方から、濃い方に水分が移動する力です。
浸透圧を利用すれば、漬物のように塩味をつける他、濃くなってしまった漬物を水につけることによって、
塩抜きをすることもできます。
3.
× いかの塩辛の食塩は、塩辛中の「水分活性を低下させる」ことによって、微生物の生育がしにくくなって
います。
4.
× 塩にはたんぱく質の凝固を早め、固まりやすくする性質があります。
問題53
バターの調理性に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.クッキー生地に溶かしバターを加えると、サクサク感のあるクッキーができる。
2.折りパイ生地の材料としてバターを使う時は、力を加えて自由に変形しやすくなるよう5℃で冷蔵しておく。
3.バターを撹拌すると、空気を抱き込んでクリーミングなバターになる。
4.加熱溶解させたバターは、常温放置しておくともとの固形のバターに戻る。
正解→ 3
解説
1.
× サクサクしたクッキーを作るには、常温でクリーム状に柔らかくなったバターを使います。
バターの特徴である、ショートニング性を利用したもので、バターの固形油脂がグルテンの組織形成を阻害して、
もろい食感(さくさく)にしてくれます。
固形油脂が多いとサクサクした食感に、固形油脂が少ないとザクザク、ゴリゴリといった強い歯ごたえに
なります。
2.
× 折りパイ生地の材料としてバターを使う時は、15℃前後の柔らかい状態にしておきましょう。
3.
○ バターを撹拌するとバター自身が大量の空気を取り込み、フワフワの状態になります。
これをバターの『クリーミング性』と言います。
軽い口当たりに仕上げることができるので、
バタークリームやバターケーキなどを作る時などに用いられます。
4.
× バターは一度溶けてしまうと、中に含まれていた空気が流れてしまうため、元の状態に戻ることは
ありません。
風味も落ちるので、溶かしバターとしてホットケーキやスポンジケーキに利用されることが多いです。
問題54
肉の軟化法に関する記述で、[ ]に入る語句の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。
『かたい肉を柔らかくする一つの方法として、ワインやマリネ液に漬けこむことがある。これはpHを下げて
酸性にし、肉の[ A ]から離し、肉の[ B ]を向上させるためである。』
1.[ A ]等電点 ───[ B ]保水性
2.[ A ]保水性 ───[ B ]等電点
3.[ A ]等電点 ───[ B ]脱水性
4.[ A ]筋繊維量 ───[ B ]保水性
正解→ 1
解説
正しい説明は『かたい肉を柔らかくする一つの方法として、ワインやマリネ液に漬けこむことがある。これはpHを下げて酸性にし、肉の[等電点 ]から離し、肉の[保水性 ]を向上させるためである。』です。
よって、適切な組み合わせは、
1. [ A ]等電点 ───[ B ]保水性
となります。
「等電点」は、アミノ酸の中に存在する正電荷(陽イオン)と負電荷(陰イオン)の絶対値が等しくなる時の
pHのことです。
肉は等電点にあたるpH5.5~6になる時、最も保水性が低くなります。
肉を酸性のワインやマリネ液につけると、肉のpHが下がって等電点から離れ、保水性が高まります。
そのため、肉がジューシーで柔らかくなります。
肉をワイン、マリネ液、酢、醤油、酒などに漬ける…とあれば、pHを酸性に傾けて「等電点から離す
→肉の保水性を向上させる」
といったキーワードが関連して出てくるのだと覚えておきましょう。
問題55
食器に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.ガラス器は透明で熱に弱く、150℃以上の耐熱性のものはない。
2.銀食器は高級品に多いが、熱湯と反応し黒変するので、注意が必要である。
3.陶磁器のうち、磁器は高温で焼いたもので、熱に強い器である。
4.漆器は傷がつきにくいので、たわしで洗ってもよい。
正解→ 3
解説
1.
× 物によりますが、150℃以上の高温でも大丈夫なものもあります。
耐熱ガラスの種類は様々で、中には1000℃にも耐えられるものもあります。
2.
× 銀食器の黒変は空気に触れることによって起こります。
3.
○ 陶器と磁器の違いを把握しておきましょう。
陶器…原料は土。比較的低温で作られる。吸水性有り。
磁器…原料は石。高温で作られる。叩くと金属のような音がする他、熱に強いという特徴がある。
よって、3.陶磁器のうち、磁器は高温で焼いたもので、熱に強い器である が正解です。
4.
× 漆器にはたわし、クレンザーは厳禁です。
柔らかいスポンジと食器用洗剤で優しく洗いましょう。
問題56
郷土料理と都道府県の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。
1.
治部煮 ―――――― 石川県2.柿の葉ずし ―――― 長野県
3.からしれんこん ―― 奈良県
4.じゃっぱ汁 ―――― 福島県
正解→ 1
解説
1.
治部煮 ―――― 石川県が正解です。
治部煮(じぶに)は、石川県金沢の郷土料理です。
小麦粉をまぶした鴨(鶏)、すだれ麩、野菜を煮込んで作ります。
2.
× 柿の葉ずしは、奈良県の郷土料理です。
(和歌山県、鳥取県などでも同じ名前の料理が作られます。)
酢飯、鮭や鯖などの魚を柿の葉で包んでから押して作ります。
3.
× からしれんこんは、熊本県の郷土料理です。
ゆでたれんこんの穴に、からし味噌を詰めこんで作ります。
4.
× じゃっぱ汁は、青森県の郷土料理です。
鮭やたらなど魚のあらと野菜を煮込んで、塩や味噌で味付けして作ります。
問題57
ハレの食事として、誤っているものを一つ選びなさい。
1.正月、節分、節句、七夕など伝統的な慣習の時に食べる食事
2.母の日、父の日などの時に食べる食事
3.誕生日、還暦などの人生の節目の時に食べる食事
4.日常的に食べる食事
正解→ 4
解説
日本の伝統的な世界観である「ハレとケ」に関する問題です。
「ハレ」とは、お祭りや儀式、行事=非日常を、
「ケ」とは普段の生活=日常をそれぞれ指しています。
4.だけが「ケ」にあたるため、選ぶべき選択肢は4になります。
問題58
日本料理の一般的な食事作法に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.箸の先で人や物を指し示すことを「 刺し箸 」という。
2.飯とおかずは交互に食べる。
3.蓋は全て外し、上向きに重ねて置いてから食べる。
4.茶碗や椀は、箸を持ったまま取り上げて食べる。
正解→ 2
解説
食事マナーに関する問題です。
1.
× 箸の先で人や物を指し示すことは「指し箸」と書きます。
料理に箸を突き刺して食べることは「刺し箸」です。
読み方は同じですが、意味が違うので区別して覚えましょう。
2.
○ おかずとご飯は交互に食べるのがマナーです。
ご飯だけ、おかずだけ、汁物だけ…という食べ方はばかり食い、一丁食いとも言われ、マナー違反です。
3.
× 「蓋は全て外し、裏返してお膳の外に置く」のが正しいマナーです。
食べ終わったら静かに蓋を元通りかぶせましょう。
4.
× 茶碗や椀を取るときは一度箸を置きましょう。
問題59
次の日本料理様式のうち、日本の食文化の形成において最も古いものを一つ選びなさい。
1.会席料理
2.南蛮料理
3.本膳料理
4.普茶料理
正解→ 3
解説
3.本膳料理
が正解です。
1~4の日本料理は、本膳料理→南蛮料理→普茶料理→会席料理の順で普及していきました。
【本膳料理】
室町時代に確立した、日本料理の基本となる形式のお膳立てです。
主に式三献、雑煮、本膳、二の膳、三の膳、硯蓋(すずりぶた)で構成されます。
明治時代以降はすたれ、かわりに会席料理が用いられるようになりました。
【南蛮料理】
室町時代~江戸時代にかけて、ポルトガル人、スペイン人が日本に持ち込んだ食文化。
トウガラシやネギを使ったものが南蛮料理と呼ばれました。
【普茶(ふちゃ)料理】
江戸時代に中国から日本に伝わった精進料理です。
【会席料理】本膳料理を簡略化したものです。
主に先付、椀物、向付、鉢肴、強肴、止め肴、 ご飯・味噌汁・香の物、水菓子で構成されます。
