管理栄養士 過去問 2019年度版 part 20 191~200
問題191
次の文を読み、問いに答えよ。
地域密着型介護老人福祉施設K荘に勤務する管理栄養士である。食事介助を担当している介護スタッフからの
質問に対応している。
入所者は、76歳、男性。1年前より入所しており、CKD(慢性腎臓病)に対するケアを行ってきた。
しかし、病態が悪化して、人工血液透析に移行した。身長169cm、体重58kg、アルブミン値3.6g/dL、尿量ほとんど無し。
施設ではこれまで、透析中の入所者に対応したことがなかったため、介護スタッフから透析移行後の食事の留意点を
質問された。
その回答として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.魚類と肉類の摂取量を少なくする。
2.生野菜の摂取量を多くする。
3.水分摂取を控える。
4.間食を止める。
正解→ 3
解説
1.×
魚類と肉類の摂取量は透析前よりも少なくする必要はありません。
2.×
生野菜の摂取量は控えるようにします。
生野菜にはカリウムが多く含まれているので、水にさらしたりゆでたりするなどして、カリウム含量を減らします。
透析中はカリウムを過剰に摂取すると細胞内外の電位差のバランスが保てず、心臓の興奮がしにくくなってしまい、
痺れや致死性不整脈が発生します。このため、血液透析中はカリウム制限が必要です。
3.○
水分摂取を控えます。
透析治療では体内の余分な水分を取り除きますが、除水できる量には限りがあるため、日常生活での水分の取り方には
十分に気をつけなければなりません。
4.×
BMIが20.3なので、間食を止める必要はないと考えます。
問題192
次の文を読み、問いに答えよ。
地域密着型介護老人福祉施設K荘に勤務する管理栄養士である。食事介助を担当している介護スタッフからの質問に
対応している。
入所者は、76歳、男性。1年前より入所しており、CKD(慢性腎臓病)に対するケアを行ってきた。
しかし、病態が悪化して、人工血液透析に移行した。身長169cm、体重58kg、アルブミン値3.6g/dL、尿量ほとんど無し。
数日後、施設レクリエーションでバス旅行が決まった。その日の昼食はレストランで天ぷら定食を食べることが
決まっており、介護スタッフより配慮すべき点を質問された。その回答として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.ごはんを半分量にする。
2.魚介類の天ぷらを全量残す。
3.野菜料理を追加する。
4.汁物と漬物を控える。
正解→ 4
解説
1.×
ごはんを半分に減らすと、エネルギー摂取量が不足してしまう可能性があります。
2.×
魚介類の天ぷらを全量残す必要はありません。
3.×
血液透析中はカリウム制限があるので、わざわざ野菜料理を追加する必要はありません。
4.○
塩分・水分を制限するために、汁物と漬物を控えたほうが適切だと思われます。
問題193
次の文を読み、問いに答えよ。
K事業所に勤務する管理栄養士である。来年度から始める体重管理プログラムを検討している。
K事業所の従業員は1,000人(男性:300人、平均年齢42歳、女性:700人、平均年齢37歳)であり、近年、
高血圧と糖尿病の罹患者が増加している。表1はK事業所の従業員の今年度のBMIの分布である。
なお、K事業所の来年度のプログラム実施の予算は100万円である。
K事業所が掲げる、来年度の健康づくりの結果目標である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(図 193)

1.男性の肥満(25.0kg/m2以上)の割合を減らす。
2.女性のやせ(18.5kg/m2未満)の割合を減らす。
3.男女とも肥満(25.0kg/m2以上)の割合を減らす。
4.男女ともやせ(18.5kg/m2未満)の割合を減らす。
正解→ 3
解説
正解は【3】です。
「高血圧と糖尿病の罹患者が増加している」ことに対する対策を、体重管理プログラムの目的とする必要があります。
肥満は高血圧と糖尿病の原因となり得ますので、男女とも肥満(25.0kg/m2以上)の割合を減らすことが大切です。
問題194
次の文を読み、問いに答えよ。
K事業所に勤務する管理栄養士である。来年度から始める体重管理プログラムを検討している。
K事業所の従業員は1,000人(男性:300人、平均年齢42歳、女性:700人、平均年齢37歳)であり、近年、
高血圧と糖尿病の罹患者が増加している。表1はK事業所の従業員の今年度のBMIの分布である。
なお、K事業所の来年度のプログラム実施の予算は100万円である。
K事業所と同系列のA事業所とB事業所が先行して体重管理プログラムを実施していた。
A事業所は集団学習の教室(プログラム総費用20万円)、B事業所はアプリを活用したプログラム
(プログラム総費用100万円)である。
表2-1と表2-2は、それぞれの取組前後のBMIの分布である。K事業所は、これら取組のいずれかを
来年度実施することにした。どちらを選択するかの理由である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(図 194)

1.実施後、参加者の肥満者は0人になっているため、A事業所の取組の方がよい。
2.プログラム1回20万円でできるので、5回実施できることから、A事業所の取組の方がよい。
3.アプリを使った取組は、実施者側の負担が少ないため、B事業所の取組の方がよい。
4.取組の費用効果が良いため、B事業所の取組の方がよい。
正解→ 4
解説
正解は【4】です。
1.×
A事業所のアウトカム評価は、一人を改善するために16,666円(普通の分布帯が12人増えるのに200,000円)の経費が
掛かったことになります。
2.×
予算が安くても、参加者が少なければ回数を増やしても結果が伴いません。
3.×
実施側の負担が少なくても、効果がよくなければ結果が伴いません。
4.○
B事業所のアウトカム評価は、一人を改善するために10,526円(普通の分布帯が95人増えるのに1,000,000円)の経費が
掛かったことになります。
問題195
次の文を読み、問いに答えよ。
K事業所に勤務する管理栄養士である。来年度から始める体重管理プログラムを検討している。
K事業所の従業員は1,000人(男性:300人、平均年齢42歳、女性:700人、平均年齢37歳)であり、近年、
高血圧と糖尿病の罹患者が増加している。表1はK事業所の従業員の今年度のBMIの分布である。
なお、K事業所の来年度のプログラム実施の予算は100万円である。
来年度に実施するプログラムを選択したK事業所が、そのプログラムを実施する上で、優先すべき注意点である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(図 195)

1.参加者を増やすようにする。
2.男女の人数割合を同じようにする。
3.やせを増やさないようにする。
4.費用をできるだけ安くするようにする。
正解→ 3
解説
正解は【3】です。
体重管理プログラム実施前後の結果を比較すると、どちらの事業所もやせの割合が増えています。
肥満と同様にやせも健康管理上の問題に繋がるため注意が必要です。
問題196
次の文を読み、問いに答えよ。
K県の健康増進課の管理栄養士である。K県の健康増進計画を検討している。K県の健康課題は、脳血管疾患であり、
死亡率は全国平均より高い。食生活の特徴では、野菜摂取量、果物摂取量(中央値)はそれぞれ5SV/日と1SV/日である。
これまで、野菜摂取量の目標は5SV/日、果物摂取量の目標は2SV/日と設定してきている。
また、食塩摂取量(平均値)は11g/日である。
食生活の目標を考えるうえで、脳血管疾患と野菜および果物摂取に関連する前向きコホート研究論文を参考にした。
表は野菜および果物摂取による脳血管疾患罹患の相対危険の結果である。この結果の解釈である。正しいのはどれか。
1つ選べ。
(図 196)

1.野菜は、2SV/日未満の摂取と比較し、2?5SV/日の摂取で、相対危険が有意に低下する。
2.野菜は、2SV/日未満の摂取と比較し、5SV/日超の摂取で、相対危険は低下するが、有意ではない。
3.果物は、2SV/日未満の摂取と比較し、2?5SV/日の摂取で、相対危険が有意に低下する。
4.果物は、2SV/日未満の摂取と比較し、5SV/日超の摂取で、相対危険は低下するが、有意ではない。
5.野菜と果物ともに、2SV/日未満の摂取で、相対危険が有意に低下する。
正解→ 3
解説
1.×
野菜の2?5SV/日の相対危険は0.93ですが、95%信頼区間が0.82-1.06なので、相対危険が有意に低下するとはいえません。
相対危険とは、危険因子に曝露した群の罹患リスク(危険)を、曝露していない群の罹患リスクに対する比で
示したものです。
2.×
野菜の5SV/日超の摂取で、相対危険は0.81、95%信頼区間が0.72-0.90と1より低い値なので、相対危険は有意に
低下しているといえます。
3.○
果物は、2SV/日未満の摂取と比較し、2?5SV/日の摂取で、相対危険が有意に低下しています。
4.×
果物の5SV/日超の摂取で、相対危険は0.72、95%信頼区間が0.66-0.79と値が1より低いので、相対危険は有意に
低下しているといえます。
5.×
野菜と果物ともに、2SV/日未満の摂取では相対危険が1.0なので、相対危険が有意に低下するとはいえません。
問題197
次の文を読み、問いに答えよ。
K県の健康増進課の管理栄養士である。K県の健康増進計画を検討している。K県の健康課題は、脳血管疾患であり、
死亡率は全国平均より高い。食生活の特徴では、野菜摂取量、果物摂取量(中央値)はそれぞれ5SV/日と1SV/日である。
これまで、野菜摂取量の目標は5SV/日、果物摂取量の目標は2SV/日と設定してきている。
また、食塩摂取量(平均値)は11g/日である。
研究結果を参考に、K県の現状を踏まえ、野菜と果物の摂取に関する地域住民への推奨内容を考えた。
推奨内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(図 197)

1.野菜は現状維持で、果物を増やす。
2.野菜を増やし、果物は現状維持する。
3.野菜、果物ともに増やす。
4.野菜、果物ともに現状維持する。
正解→ 3
解説
正解は【3】です。
「野菜摂取量、果物摂取量(中央値)はそれぞれ5SV/日と1SV/日である。」と文章中にあります。
中央値が5SV/日と1SV/日であることから、半数の住民がこの値に達していないと言えます。
これらのことから、野菜果物ともに摂取を増やすよう推奨すべきと考えられます。
問題198
次の文を読み、問いに答えよ。
K県の健康増進課の管理栄養士である。K県の健康増進計画を検討している。
K県の健康課題は、脳血管疾患であり、死亡率は全国平均より高い。
食生活の特徴では、野菜摂取量、果物摂取量(中央値)はそれぞれ5SV/日と1SV/日である。
これまで、野菜摂取量の目標は5SV/日、果物摂取量の目標は2SV/日と設定してきている。
また、食塩摂取量(平均値)は11g/日である。
野菜や果物の摂取に関する推奨を施策化する上で、考慮しなければならない事項である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(図 198)

1.野菜の調理法
2.食事中の野菜摂取のタイミング
3.野菜の種類
4.1日の中での果物摂取のタイミング
正解→ 1
解説
正解は【1】です。
K県の健康課題は、脳血管疾患であり食塩摂取量(平均値)は11g/日と高めです。
これらのことから、野菜を摂取するにしてもカリウムの流出を防ぐ調理法や塩分少なめの料理を提案するなど
考慮する必要があります。
問題199
次の文を読み、問いに答えよ。
K小学校に勤務する栄養教諭である。単独校方式で600食の給食を提供している。
その日の献立は、パン、鮭のムニエル、ブロッコリーのサラダ、じゃがいもとキャベツのスープ、牛乳である。
図は、食品の動線図である。
作業工程で時間帯をずらして行った方が良い作業の組合せである。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(図 199)

1.キャベツの洗浄作業 ――――― 鮭の調味作業
2.ブロッコリーのゆで作業 ――― キャベツの切裁作業
3.サラダの調味作業 ―――――― 鮭の焼き作業
4.スープの配缶作業 ―――――― サラダの配缶作業
正解→ 3
解説
正解は【3】です。
サラダの調味作業はもうこれ以上加熱することがないため、生の鮭を扱う鮭の焼き作業とはタイミングや場所を
離す必要があると考えられます。
その他の選択肢では、そのあと加熱する工程があるか、又は非汚染のもの同士なので問題はないと考えられます。
問題200
次の文を読み、問いに答えよ。
K小学校に勤務する栄養教諭である。単独校方式で600食の給食を提供している。
その日の献立は、パン、鮭のムニエル、ブロッコリーのサラダ、じゃがいもとキャベツのスープ、牛乳である。
図は、食品の動線図である。
ピーラーが故障し、当日の作業工程の変更をしなければならなくなった。予定では、A班はじゃがいもの下処理と
鮭のムニエルを、B班はサラダを、C班はスープを担当することになっていた。変更内容として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
(図 200)

1.A班のみで、じゃがいもの皮むきを行い、鮭の焼き時間を遅らせる。
2.B班が、ブロッコリーをゆでた後、冷却中にじゃがいもの皮むきを手伝い、その後サラダを仕上げる。
3.C班が、キャベツの洗浄・切裁を終えた後、じゃがいもの皮むきを手伝い、その後スープの加熱と調味を行う。
4.A班、B班、C班の全員が、じゃがいもの皮むきを行い、その後それぞれ予定の作業を行う。
正解→ 4
解説
正解は【4】です。
じゃがいもの皮むきは土がついていることを考慮して、加熱済み食品の仕上げ作業の合間などに組み込むことは
あまり望ましくないです。
また、一気に作業を進めることで、すべての作業の分担の偏りをなるべく作らず、また同時進行で行うべき作業の
ずれをなるべく生じさせないことは大切です。


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