管理栄養士 過去問 2019年度版 part 16 151~160

管理栄養士2019

問題151

国民健康・栄養調査に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.調査は、3年ごとに実施される。
2.国民健康・栄養調査員は、厚生労働大臣が任命する。
3.栄養摂取状況調査は、非連続の2日間実施する。
4.調査結果は、健康日本21(第二次)の評価に用いられる。
5.海外に居住する日本人も対象となる。

正解→ 4

解説

1.×
調査は、毎年実施されています。

2.×
国民健康・栄養調査員は、都道府県知事が任命します。

3.×
栄養摂取状況調査は、日曜日及び祝祭日を除く任意の1日で実施します。

4.○

5.×
国民生活基礎調査において設定された単位区から層化無作為抽出した世帯及び世帯員を対象としており、
海外に居住する日本人は対象外です。

問題152

食生活指針(2016年一部改定)に関する記述である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。

1.生活の質(QOL)の向上を目的としている。
2.食品の組合せは、SV(サービング)を用いて示している。
3.「脂肪は質と量を考えて」としている。
4.「郷土の味の継承を」としている。
5.「食料資源を大切に」としている。

正解→ 2

解説

この問題は「誤っているもの」を選択します。間違えないようにしましょう。

1.○
生活の質(QOL)の向上を重視しています。

2.×
「主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」とされていて、特にSVを用いて示されてはいません。
SVは、食事バランスガイドで用いられている単位です。

3.○
2016年の一部改定により、脂肪について‘質’と‘量’を明記し、動物、植物、魚類の脂肪の質にも配慮することと
なりました。

4.○
「日本の食文化や地域の産物を活かし、郷土の味の継承を」とされています。

5.○
「食料資源を大切に、無駄や廃棄の少ない食生活を」とされています。

問題153

健康増進法に定められている事項である。正しいのはどれか。2つ選べ。

1.市町村保健センターの設置
2.市町村健康増進計画の策定
3.市町村食育推進計画の策定
4.特定保健指導の実施
5.生活習慣病の発生状況の把握

正解→ 2.5.

解説

1.×
市町村保健センターの設置は地域保健法で定められています。

2.○
市町村は、市町村健康増進計画を定めるよう努めるものと定められています。

3.×
市町村食育推進計画は食育基本法において、市町村で作成するよう求められています。

4.×
特定保健指導の実施は高齢者の医療の確保に関する法律に定められています。

5.○
国及び地方公共団体は、生活習慣病の発生の状況の把握に努めなければならないと定められています。

問題154

国際的な公衆栄養活動に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.持続可能な開発目標(SDGs)は、国際連合(UN)が発表している。
2.栄養表示ガイドラインは、国連世界食糧計画(WFP)が策定している。
3.フードセキュリティの達成は、国連教育科学文化機関(UNESCO)の設立目的である。
4.自然災害被災地への緊急食料援助は、コーデックス委員会(CAC)が担っている。
5.フードバランスシートの策定基準は、世界保健機関(WHO)が定めている。

正解→ 1

解説

正解は1です。

1.○
持続可能な開発目標(SDGs)は、国際連合(UN)が発表しています。

2.×
栄養表示ガイドラインは、コーデックス委員会(CAC)が策定します。
コーデックス委員会の設置目的は、国際食品規格の策定を通じた、消費者の健康保護、公正な食品貿易の確保です。

3.×
フードセキュリティの達成について議論され、国連食糧農業機関(FAO)が設置されました。
FAOは世界の食糧生産や分配の改善、生活向上により、飢餓の撲滅を目的としています。

4.×
自然災害被災地への緊急食料援助は、国連世界食糧計画(WFP)が担います。
WFPは飢餓のない世界を目指して活動している食糧支援機関です。

5.×
フードバランスシートの策定基準は、国連食糧農業機関(FAO)が定めています。

問題155

K市において、50歳代女性1,000人を対象とした個人の習慣的なカルシウム摂取量を把握するために、食事調査を行いたい。
この調査法として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1.食事記録法(秤量法)
2.24時間食事思い出し法
3.半定量式食物摂取頻度調査法
4.陰膳法

正解→ 3

解説

1.×
食事記録法(秤量法)とは、被験者が実際に飲食したものを記録表に自身で全て記録する方法です。
食事調査の中では正確な値が調査しやすい方法でありますが、被験者の負担が大きいことや、調査人数が多いことによる
栄養計算の手間や経費を考えると適切ではありません。

2.×
24時間食事思い出し法とは、前日の食事内容を栄養士の面接によって聞き取る方法です。
通常は集団の栄養状態の判定に使われますが、面接者の技量が必要な方法であるにも関わらず対象者が多いことや、
他の調査方法よりも被験者が過少申告しやすいため、摂取量を正確に把握することは難しいと考えられます。

3.○
半定量式食物摂取頻度調査法とは、摂取頻度に加え、標準的な一回の摂取量が示された質問票を見て被験者が食べた量を
比較して答える方法です。
食事記録法や陰膳法より栄養摂取量推定の精度は劣りますが、比較的簡易なので被験者への負担も少なく大人数の調査に
向いています。

4.×
陰膳法は被験者が実際に食べた食事と同じものを科学的に分析し、栄養摂取量を推定する方法です。
経費や手間が多くかかるため、大人数の調査にはあまり向いていません。

問題156

集団を対象とした食事調査によって得られた栄養素摂取量のデータ解析に及ぼす影響と、その解決法に関する記述である。
(   )に入る正しいものの組合せはどれか。1つ選べ。

食事調査によって得られた栄養素摂取量について、[ a ]の影響を取り除く方法の一つとして、栄養素摂取量を[ a ]で
除し、単位当たりの栄養素摂取量を算出する方法がある。この方法を[ b ]という。また、データの解析段階では、
交絡因子の影響を取り除くため、一般的に[ c ]が行われている。

1. a:総エネルギー摂取量  b:栄養素密度法  c:マッチング
2. a:総エネルギー摂取量  b:栄養素密度法  c:層化
3. a:総エネルギー摂取量  b:残差法     c:マッチング
4. a:総たんぱく質摂取量  b:残差法     c:層化
5. a:総たんぱく質摂取量  b:栄養素密度法  c:マッチング

正解→ 2

解説

正解は【2】です。

食事調査によって得られた栄養素摂取量について、[総エネルギー摂取量]の影響を取り除く方法の一つとして、
栄養素摂取量を[総エネルギー摂取量 ]で除し、単位当たりの栄養素摂取量を算出する方法があります。
この方法を「栄養密度法」といいます。また、データの解析段階では、交絡因子の影響を取り除くため、一般的に
「層化」が行われています。

エネルギー摂取量の調整には「栄養密度法」と「残差法」があります。
・栄養密度法 → 総エネルギー摂取量に対する各栄養素の占める割合を算出する方法です。エネルギー産生栄養素は重量を
エネルギーに換算した値を、それ以外の栄養素は重量を摂取エネルギー量で割って求めます。
・残差法 → まず対象集団において注目している栄養素摂取量と総エネルギー摂取量との関係を一次回帰式で算出します。
そして一次回帰式から栄養素摂取量の期待値を求め残差(実測値ー期待値)を加えることで総エネルギー調整栄養素摂取量
を求めることができます。

「層化」とは、集団を相対的に同質のグループに分けるプロセスのことです。

問題157

日本人の食事摂取基準(2015年版)を用いた集団における食事摂取量の評価とその方法の組合せである。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1.エネルギーの過剰摂取の評価 ―――――― 推定エネルギー必要量(EER)を超えて摂取している人の割合
2.エネルギーの摂取不足の評価 ―――――― BMIの平均値と目標とするBMIの範囲の下限値との差
3.栄養素の摂取不足の評価 ―――――――― 目安量(AI)を下回る人の割合
4.栄養素の過剰摂取の評価 ―――――――― 推奨量(RDA)を上回る人の割合
5.生活習慣病の予防を目的とした評価 ――― 目標量(DG)の範囲を逸脱する人の割合

正解→ 5

解説

1.×
エネルギーの過剰摂取の評価はBMIや体重の増減でされます。

2.×
エネルギーの摂取不足の評価はBMIや体重の増減でされます。

3.×
栄養素の摂取不足の評価では、推定平均必要量(EAR)を下回る者の割合を出します。

4.×
栄養素の過剰摂取の評価は耐容上限量(UL)を指標にしています。

5.○
生活習慣病の予防を目的とした評価 は目標量(DG)の範囲を逸脱する人の割合でされます。目標量は生活習慣病の
一次予防を目的として定められています。

問題158

保健・栄養関連統計に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.食料需給表は、衛生行政報告例から作成される。
2.食中毒の患者数は、食品安全委員会が取りまとめている。
3.乳幼児身体発育曲線は、国民健康・栄養調査から作成される。
4.学校給食実施率は、学校保健統計調査によって把握される。
5.介護が必要となった原因は、国民生活基礎調査によって把握される。

正解→ 5

解説

1.×
食料需給表は、国連食糧農業機関(FAO)の手引きに基づいて農林水産省が毎年作成しています。

2.×
食中毒の発生状況は、食中毒統計調査により毎年厚生労働省が作成しています。食中毒統計調査とは、食品衛生法に
基づいて都道府県知事等から厚生労働大臣に報告があったものを対象とする統計調査のことです。

3.×
乳幼児身体発育曲線は、乳幼児身体発育調査から作成されています。乳幼児身体発育調査とは、厚生労働省が10年ごとに
行う全国の乳幼児を対象にした身体発育の状態の調査のことで、これに基づいて乳幼児身体発育曲線が作成されています。

4.×
学校給食実施率は、学校給食実施状況等調査によって把握されています。学校給食実施状況等調査は、国公私立の小学校、
中学校(中等教育学校前期課程を含む)、特別支援学校、夜間定時制高等学校、幼稚園、共同調理場を対象に文部科学省に
よって毎年行われています。

5.○
介護が必要となった原因は、国民生活基礎調査によって把握されています。国民生活基礎調査では、厚生労働省によって
保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項が調査されています。

問題159

公衆栄養マネジメントに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

1.マネジメントは、対象集団の特性に合わせて行う。
2.課題解決型アプローチでは、目的設定は専門家主導で行う。
3.計画策定時には、必要な社会資源を確認する。
4.評価は、マネジメントサイクルの各段階について行う。
5.目標で取り上げなかった項目は、評価の対象外である。

正解→ 5

解説

この問題は「誤っているもの」を選択します。間違えないようにしましょう。

1.○
マネジメントは、対象集団の特性に合わせて行うことが大切です。

2.○
課題解決型アプローチでは、目的設定は専門家主導で行います。

・課題解決型アプローチ→専門家が現状分析を行い、課題を明確化した後に住民参加を決める手法のことです。
・目標設定型アプローチ→参加者全体で目指す目標を設定し、進めていく手法のことです。

3.○
計画策定時には、必要な社会資源を確認します。
社会資源とは、個人や集団が福祉ニーズを満たすための施設、設備、資金、法律、人材、技能などの総称のことです。

4.○
評価は、マネジメントサイクルの各段階について行います。
マネジメントサイクルとはPDCAサイクルともいわれ、Plan(計画)、Do(実施)、Check(検証)、Act(改善)の順に
繰り返し行うものです。

5.×
目標で取り上げなかった項目も、評価の対象になります。

問題160

地域における生活習慣病に対するハイリスクアプローチである。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1.スーパーマーケットにおける減塩キャンペーンの実施
2.広報紙による情報提供
3.市民公開講座の開催
4.特定保健指導における積極的支援
5.公共施設におけるポスターの掲示

正解→ 4

解説

1.×
スーパーマーケットにおける減塩キャンペーンの実施はポピュレーションアプローチになります。
ポピュレーションアプローチとは、リスクの有無に関わらずに集団に働きかけ、集団全体がリスクを軽減したり病気を
予防したりできるようにするものです。

2.×
広報紙による情報提供はポピュレーションアプローチです。

3.×
市民公開講座の開催はポピュレーションアプローチです。

4.○
特定保健指導における積極的支援はハイリスクアプローチになります。ハイリスクアプローチとは、リスクを持っている
人をスクリーニングし、ハイリスクの人に働きかけ病気を予防する活動のことです。
特定保健指導を受けるということは、特定健康診査でメタボリックシンドローム(リスク保有者)と診断されているので、
この場合はハイリスクアプローチとなります。

5.×
公共施設におけるポスターの掲示はポピュレーションアプローチです。

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