管理栄養士 過去問 2019年度版 part 14 131~140
問題131
微小変化型ネフローゼ症候群に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
1.エネルギー摂取量は、20?25kcal/kg標準体重/日とする。
2.たんぱく質摂取量は、1.5g/kg標準体重/日とする。
3.浮腫がみられる時の水分摂取量は、前日尿量+500mLとする。
4.LDL-コレステロール値は、低下する。
5.ステロイド薬の反応は、微小変化型以外のネフローゼ症候群に比べて悪い。
正解→ 3
解説
<微小変化型ネフローゼ症候群の食事療法>
・エネルギー:35kcal/kg標準体重/日
・たんぱく質:1.0?1.1g/kg/日
・食塩:0?0.7g/日
・水分:重度の浮腫が見られる場合は制限
1.×
エネルギー摂取量は、20?25kcal/kg標準体重/日とする。
35kcal/kg標準体重/日とします。
2.×
たんぱく質摂取量は、1.5g/kg標準体重/日とする。
1.0?1.1g/kg/日とします。
3.○
浮腫がみられる時の水分摂取量は、前日尿量+500mLとする。
重度の浮腫がみられる場合は、水分制限を行います。
前日尿量+(不感蒸泄800ml -代謝水300ml)
4.×
LDL-コレステロール値は、低下する。
ネフローゼ症候群では、肝臓のアルブミン合成が増加し、脂質合成が増加することと、末梢組織でのLDL利用が低下
するため、LDLコレステロール値は上昇します。(高LDLコレステロール血症)
5.×
ステロイド薬の反応は、微小変化型以外のネフローゼ症候群に比べて悪い。
治療反応性が良好な微小変化型ネフローゼ症候群は、微小変化型以外のネフローゼ症候群に比べてステロイド薬の反応は
良好です。
問題132
55歳、女性。身長160cm、体重56kg、BMI21.8kg/m2。血圧150/95mmHg、推算糸球体濾過量
(eGFR)93mL/分/1.73m2、尿たんぱく量0.5g/日である。この患者の栄養管理として、食塩は5g/日とした。
1日当たりのエネルギー量とたんぱく質量の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.エネルギー量:1,200(kcal/日) たんぱく質量:60(g/日)
2.エネルギー量:1,200(kcal/日) たんぱく質量:80(g/日)
3.エネルギー量:1,600(kcal/日) たんぱく質量:45(g/日)
4.エネルギー量:1,600(kcal/日) たんぱく質量:60(g/日)
5.エネルギー量:2,100(kcal/日) たんぱく質量:45(g/日)
正解→ 4
解説
正解は【4】です。
糸球体濾過量と尿たんぱく量から、慢性腎臓病(CKD)と推測できます。
<CKDの食事管理>
・エネルギー:腎機能に関わらず適正エネルギー量
(肥満を有する場合は減量)
・たんぱく質:eGFR60mL/min/1.73㎡以上では特別な制限なし
・食塩:3?6g/日未満
慢性腎臓病の患者ですが、BMIは標準値、eGFRは60mL/min/1.73㎡以上のため、エネルギー量・たんぱく質量共に
標準体重の目標量で計算できます。
・エネルギー:25~35kcal/kg標準体重/日≒1,600kcal/日(28kcal/kg標準体重/日)
・たんぱく質:1g/kg標準体重/日≒60g/日(56g/kg標準体重/日)
問題133
63歳、女性。身長155cm、標準体重53kg。週3回の血液透析療法を受けている。ドライウエイト49kg。
透析前血清カリウム値5.8mEq/L。この患者の1日当たり目標栄養量の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.エネルギー量:25(kcal/kg標準体重/日)たんぱく質量:1.2(g/kg標準体重/日)カリウム量:制限なし
2.エネルギー量:30(kcal/kg標準体重/日)たんぱく質量:1.0(g/kg標準体重/日)カリウム量:2,000以下(mg/日)
3.エネルギー量:30(kcal/kg標準体重/日)たんぱく質量:1.5(g/kg標準体重/日)カリウム量:1,500以下(mg/日)
4.エネルギー量:35(kcal/kg標準体重/日)たんぱく質量:0.6(g/kg標準体重/日)カリウム量:2,000以下(mg/日)
5.エネルギー量:35(kcal/kg標準体重/日)たんぱく質量:1.0(g/kg標準体重/日)カリウム量:制限なし
正解→ 2
解説
正解は【2】です。
<透析患者の食事管理>
・エネルギー:30?35kcal/kg標準体重/日
・たんぱく質:0.9~1.2g/kg標準体重/日
・食塩:<6g/日
・水:できるだけ少なく
・カリウム:≦2,000mg/日
・リン:≦たんぱく質(g)×15
問題134
バセドウ病に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.基礎代謝量が低下する。
2.腸管蠕動運動が減弱する。
3.血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
4.血清遊離トリヨードサイロニン(FT3)値が上昇する。
5.血清総コレステロール値が上昇する。
正解→ 4
解説
<バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の所見>
・基礎代謝の亢進
・体重減少
・頻脈
・眼球突出
・血清コレステロール値低下
・血清甲状腺刺激ホルモン分泌減少
1.×
基礎代謝量が低下する。
→基礎代謝は亢進するため、上昇します。
2.×
腸管蠕動運動が減弱する。
×甲状腺ホルモンの過剰分泌により、腸管蠕動運動は増強します。
3.×
血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
→血清甲状腺刺激ホルモン値は、低下します。
4.○
血清遊離トリヨードサイロニン(FT3)値が上昇する。
→甲状腺ホルモンである血清遊離トリヨードサイロニンは上昇します。
5.×
血清総コレステロール値が上昇する。
→血清総コレステロール値は、低下します。
問題135
進行した慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の栄養アセスメントの結果である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
1.体重の増加
2.安静時エネルギー消費量の増加
3.%1秒量の上昇
4.動脈血酸素分圧(PaO2)の上昇
5.血清トランスサイレチン値の上昇
正解→ 2
解説
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺気腫と慢性気管支炎を合わせたもので、息がうまく吐き出せない状態が起こります。
<慢性閉塞性肺疾患(COPD)の所見>
・原因:喫煙
・体重:減少
・%1秒率:低下
・動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2):上昇
・動脈血酸素分圧(PaO2):低下
1.×
体重の増加
→呼吸障害のため食欲不振となり、体重は低下します。
2.○
安静時エネルギー消費量の増加
→うまく息が吐き出せないことから、呼吸活動が活発になり、安静時エネルギー消費量は増加します。
3.×
%1秒量の上昇
→%1秒(息を力一杯吐く時の最初の1秒間に吐き出す空気量の割合)は、肺疾患では低下します。
4.×
動脈血酸素分圧(PaO2)の上昇
→酸素の取り込みがうまくできないため、動脈血酸素分圧(PaO2)は低下します。
5.×
血清トランスサイレチン値の上昇
→血清トランスサイレチン値はたんぱく質の栄養状態を反映する数値のため、体重減少が起こるCOPDでは低下します。
問題136
新生児の頭蓋内出血を予防するために補給する栄養素である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
1.ビタミンA
2.ビタミンK
3.ビタミンB1
4.ビタミンB12
5.ビタミンC
正解→ 2
解説
正解は【2】です。
新生児の頭蓋内出血は、特発性乳児ビタミンK 欠乏性出血症と言われ、生後約1ヶ月頃に起こります。
予防には、ビタミンK2シロップの投与が行われます。
人工乳にはビタミンKが強化されているものもあります。
また、同じくビタミンK欠乏症に「新生児メレナ」があり、こちらは生後数日で起こります。
問題137
23歳、女性。身長150cm、体重34kg(標準体重50kg)、BMI15.0kg/m2。2週間以上、ほとんど摂食できていない
神経性やせ症の患者である。緊急入院させ、静脈栄養管理となった。
輸液開始時に投与する1日当たりのエネルギー量である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1. 500kcal/日
2. 1,000kcal/日
3. 1,500kcal/日
4. 2,000kcal/日
正解→ 1
解説
正解は【1】です。
長期間エネルギー不足が続いている患者の場合、静脈栄養などの強制栄養で大量のエネルギーを投与してしまうと、
リフィーディング症候群を引き起こす可能性があります。
まずは少量のエネルギー投与から始め、徐々にエネルギー量を増やしていく必要があります。
問題138
骨粗鬆症に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.骨吸収は、閉経後に低下する。
2.骨型アルカリホスファターゼは、骨吸収マーカーである。
3.低カルシウム血症となる。
4.食塩摂取過剰は、リスク因子である。
5.治療には、ステロイド薬が用いられる。
正解→ 4
解説
1.×
骨吸収は、閉経後に低下する。
→骨密度を維持するためには、骨吸収と骨形成が等しいことが重要です。
閉経すると、骨吸収は亢進し、骨形成は低下するため、閉経後の骨粗鬆症発症率があがります。
2.×
骨型アルカリホスファターゼは、骨吸収マーカーである。
→アルカリフォスファターゼは,骨形成のマーカーです。骨吸収マーカーにはデオキシピリジノンなどがあります。
3.×
低カルシウム血症となる。
→低カルシウム血症が出現するのは、「骨軟化症」の特徴です。
骨粗鬆症では、血清カルシウム値は基準範囲内を示します。
4.○
食塩摂取過剰は、リスク因子である。
→食塩の過剰摂取は、腎臓機能への影響があり、ビタミンDの活性化ができなくなり、カルシウムの吸収が
できなくなるため、骨粗鬆症のリスクとなります。
5.×
治療には、ステロイド薬が用いられる。
→治療にはビスフォスフォネート系薬剤が広く用いられています。ステロイド薬の長期服用は骨粗鬆症を発症する
副作用があります。
問題139
消化器手術とその合併症の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.食道切除 ――― 脂肪吸収障害
2.胃全摘 ―――― 巨赤芽球性貧血
3.胆嚢摘出 ――― 低血糖
4.膵臓切除 ――― 嚥下障害
5.直腸切除 ――― ダンピング症候群
正解→ 2
解説
1.×
食道切除 ――― 脂肪吸収障害
→食道切除では、嚥下障害が起こります。
2.○
胃全摘 ―――― 巨赤芽球性貧血
→内因子欠乏によるビタミンB12吸収障害による巨赤芽球生貧血(悪性貧血)を引き起こします。
また、食物が小腸に直接流入することで、ダンピング症候群も引き起こしやすくなります。
3.×
胆嚢摘出 ――― 低血糖
→胆嚢摘出では、脂肪の消化吸収障害が起こります。
4.×
膵臓切除 ――― 嚥下障害
→膵臓切除では、膵液が漏れる「膵液漏」、腸液が胆管に逆流するため生ずる「胆管炎」は起こります。
嚥下障害は、食道切除の際に起こります。
5.×
直腸切除 ――― ダンピング症候群
→直腸切除では、排便・排尿障害や、腸閉塞が起こります。
問題140
重症嚥下障害患者の直接訓練に用いる嚥下訓練食品である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.お茶をゼリー状に固めたもの
2.牛乳にとろみをつけたもの
3.ヨーグルト
4.りんごをすりおろしたもの
正解→ 1
解説
重症嚥下障害患者の嚥下訓練のため、「嚥下訓練食品0t」から始める必要があります。
嚥下訓練食品0tは、とろみを付けたたんぱく質含量が少ないものと分類されます。
1.○
お茶をゼリー状に固めたもの
→嚥下訓練食品0t
2.×
牛乳にとろみをつけたもの
→嚥下調整食品1j
3.×
ヨーグルト
→嚥下調整食品2-1
4.×
りんごをすりおろしたもの
→嚥下調整食品2-2
<参考:日本摂食嚥下リハビリテーション学会「嚥下調整食分類2013」>



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