管理栄養士 過去問 2019年度版 part 12 111~120

管理栄養士2019

問題111

保健センターで、第1子の養育者を対象に、地域ぐるみで子どもの健全な発育と発達を目的とした離乳食教室を実施した。
その評価の内容と評価の種類の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.離乳食の開始の目安がわかった参加者の割合 ―――― 結果評価
2.乳児期に避けたい食材がわかった参加者の割合 ――― 経過評価
3.離乳食への不安を抱いている地域内の養育者数 ――― 総括的評価
4.順調な発育をしている児の割合 ―――――――――― 形成的評価
5.教室の後、参加者同士で出かけた者の数 ―――――― 影響評価

正解→ 5

解説

栄養教育プログラムの評価の種類には下記のようなものがあります。
・企画評価:プログラムの企画に関する評価。
・経過評価:プログラムが予定通り進んでいるかなど、実施状況の評価。
・影響評価:プログラム実施によってどのような影響があったのかを評価。
・結果評価:健康状態やQOLの向上など、プログラムの目標が達成されたかを評価。
・形成的評価:プログラム実施途中に行われる評価で、計画の変更や改善のために行う。
・総括的評価:プログラムの終了後にプログラムの成果を総括的に把握するための評価。
・経済評価:プログラム実施にかかった費用に対し、それに見合う効果が得られたかを評価。
・総合的評価:プログラム全体を通しての評価。

1.×
離乳食の開始の目安がわかった参加者の割合 ― プログラム実施による知識への影響を評価しているため、
「影響評価」です。

2.×
乳児期に避けたい食材がわかった参加者の割合 ― プログラム実施による知識への影響を評価しているため、
「影響評価」です。

3.×
離乳食への不安を抱いている地域内の養育者数 ― プログラム企画のためのアセスメントは「企画評価」です。

4.×
順調な発育をしている児の割合 ― この教室の目的である“地域ぐるみで子どもの健全な発育と発達”に対する
評価なので、「結果評価」です。

5.○
教室の後、参加者同士で出かけた者の数 ― プログラム実施による行動への影響を評価しているので、「影響評価」です。

問題112
低栄養傾向の高齢者に、月1回、計6回コースの低栄養予防教室を実施した。教室の総費用は12万円であった。
教室終了後の目標BMIの達成者は、30名中20名であった。目標達成のための教室の費用効果である。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1. 667円
2. 2,000円
3. 4,000円
4. 6,000円
5. 20,000円

正解→ 4

解説

正解:【4】

栄養教育の経済評価からの出題です。
経済評価には以下のようなものがあります。
・費用効果分析:ある効果を得るためにどのくらいの費用が必要かを比較。
・費用便益分析:栄養教育の効果を金額に換算して比較。
・費用効用分析:栄養教育の効果を主観的な効用(QOLなど)として比較。

この問いでは、目標BMIの達成者1人あたりにかかった費用を計算し、費用効果を求めます。
よって、
総費用 ÷ 目標達成者の人数
120,000円 ÷ 20人 = 6,000円
となります。

問題113

保育所での食育推進計画の策定にあたり、園児の保護者に対し、プリシード・プロシードモデルに基づいた
アセスメントを実施した。アセスメント内容とその項目の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.幼児の体格 ―――――――――――――― 準備要因
2.幼児食について相談できる人の有無 ――― 強化要因
3.保護者の調理の知識 ―――――――――― 実現要因
4.保護者の共食に対する考え ――――――― 行動と生活習慣
5.保護者の持つボディイメージ ―――――― 健康

正解→ 2

解説

プリシード・プロシードモデルは、最終目標を生活の質(QOL)の向上とし、「立案→実施→評価」を体系的に示した
健康増進プログラムです。
◆プリシード…事前アセスメント(問題点の抽出など)
◆プロシード…教育の実施と評価(影響・過程・結果)

アセスメントでは、行動や環境に影響を与える要因を分析します。
◆準備要因:行動の動機づけに必要な要因(知識や信念など)
◆強化要因:行動の実行を継続するための要因(周囲のサポートなど)
◆実現要因:行動を実現するために必要な要因(道具や資源など)

以上から解答は次の通りです。

1.×
幼児の体格
体格は、健康の指標です。

2.○
幼児食について相談できる人の有無
周囲のサポートなので、強化要因です。

3.×
保護者の調理の知識
知識があるかは、準備要因です。

4.×
保護者の共食に対する考え
考え方(信念)は、準備要因です。

5.×
保護者の持つボディイメージ
考え方(信念)は、準備要因です。

問題114

特別支援学校高等部の、料理を作ることが可能な生徒を対象に、調理実習を伴う栄養教育を実施する。
対象者と安全に調理するための配慮の組合せである。
誤っているのはどれか。1つ選べ。

1.視覚障害者 ―――― 包丁を使う作業をさせない。
2.聴覚障害者 ―――― 後ろから声をかけない。
3.肢体不自由者 ――― 車椅子で作業できる調理台を使う。
4.病弱者 ―――――― 食事制限の有無を確認する。
5.知的障害者 ―――― 次の作業を促す言葉かけを行う。

正解→ 1

解説

1.×
視覚障害者に包丁を使う作業をさせないのではなく、安全に包丁を扱えるような教育内容とすることが望ましいため、
誤った配慮となります。

2.○
聴覚障害者 ― 後ろから声をかけない。
後ろからではなく顔が見える位置から声をかけるなど、わかりやすい伝え方をすることは正しい配慮です。

3.○
肢体不自由者 ― 車椅子で作業できる調理台を使う。
車椅子のまま安全に作業出来るようにすることは正しい配慮です。

4.○
病弱者 ― 食事制限の有無を確認する。
食事制限に合わせた実習内容とすることは正しい配慮です。

5.○
知的障害者 ― 次の作業を促す言葉かけを行う。
スムーズに作業が行えるような声変えは安全面への正しい配慮です。

問題115

臨床栄養の用語とその内容の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.ターミナルケア ――――――――― 障害者と健常者の共存
2.クリニカルパス ――――――――― 医療の標準化
3.アドヒアランス ――――――――― 痛みを抑える治療
4.インフォームド・コンセント ――― 重症度の判定
5.ノーマリゼーション ――――――― 情報開示に対する患者の権利

正解→ 2

解説

1.×
「ターミナルケア」は終末期医療のことです。障害者と健常者の共存は「ノーマリゼーション」です。

2.○
「クリニカルパス」は医療の標準化のことですので、正しい選択肢です。

3.×
「アドヒアランス」は患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に沿った治療を受けることです。
痛みを抑える治療は「緩和ケア」です。

4.×
「インフォームド・コンセント 」は、治療法などについて、医師から十分な説明を受けた上で患者が正しく理解・納得し、
同意することです。

5.×
「ノーマリゼーション 」は障害者と健常者の共存のことです。
情報開示に対する患者の権利はリスボン宣言に示されています。

問題116

診療報酬における栄養食事指導料の算定に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。

1.外来患者は、初回20分の栄養食事指導で算定できる。
2.小児食物アレルギー患者の外来栄養食事指導料は、9歳未満の場合に算定できる。
3.入院栄養食事指導料は、入院期間中に3回算定できる。
4.集団栄養食事指導料は、外来患者と入院患者が混在した場合も算定できる。
5.集団栄養食事指導料の算定は、1回の対象者数の上限が20人である。

正解→ 2.4.

解説

1.×
外来患者は、初回20分の栄養食事指導で算定できる。
→初回は概ね30分以上、2回目以降は概ね20分以上、療養のため必要な栄養の指導を行った場合に算定できます。

2.○
小児食物アレルギー患者の外来栄養食事指導料は、9歳未満の場合に算定できる。
→正しい選択肢です。

3.×
入院栄養食事指導料は、入院期間中に3回算定できる。
→入院中に2回限り、1週間に1回まで算定できます。

4.○
集団栄養食事指導料は、外来患者と入院患者が混在した場合も算定できる。
→正しい選択肢です。

5.×
集団栄養食事指導料の算定は、1回の対象者数の上限が20人である。
→1回の対象者数の上限が15人です。

問題117

25%ブドウ糖基本輸液1,200mL(1,200kcal)、総合アミノ酸製剤600mL(400kcal、窒素量9g)、
20%脂肪乳剤100mL(200kcal)を投与した。この時のNPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)である。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1. 44
2. 67
3. 133
4. 156
5. 200

正解→ 4

解説

正解は【4】です。

◆NPC/N比(非たんぱく質カロリー/窒素比)
アミノ酸の投与量の目安です。
投与したアミノ酸以外の栄養素(糖質+脂質)のエネルギー量を、投与アミノ酸に含まれる窒素量(g)で割り、
数値化します。
十分なエネルギー投与がない時には、いくらアミノ酸を投与してもエネルギー源として消費されてしまい、たんぱく質が
合成されないためです。
アミノ酸がたんぱく質に合成されるために、必要エネルギーに対してどれくらいの窒素(アミノ酸)を投与しなければ
いけないのかを表すものです。

<計算式>
(糖質+脂質)÷ 窒素量
=(25%ブドウ糖基本輸液のエネルギー量+20%脂肪乳剤のエネルギー量)÷ 総合アミノ酸製剤の重量
=(1,200kcal+200kcal)÷ 9g
=155.555…
≒156

問題118

経腸栄養剤の種類とその特徴に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1.成分栄養剤の糖質は、マルトースである。
2.成分栄養剤の窒素源は、ジペプチドである。
3.消化態栄養剤の糖質は、キシリトールである。
4.消化態栄養剤の窒素源は、たんぱく質である。
5.半消化態栄養剤の糖質は、デキストリンである。

正解→ 5

解説

経腸栄養剤は、原材料から天然濃厚流動食と人工濃厚流動食に分けられ、人工濃厚流動食は、 その組成により、
成分栄養剤、消化態栄養剤、半消化態栄養剤に分類されます。

・成分栄養剤:窒素源がアミノ酸のみで構成される。脂肪含有量が少ないため、長期に使用する際は必須脂肪酸欠乏症に
注意が必要。
・消化態栄養剤:窒素源がアミノ酸やジペプチド、トリペプチドからなっています。
・半消化態栄養剤:窒素源としてカゼインや大豆タンパクなどのタンパク質が含まれるため、消化が必要となる。

1.×
成分栄養剤の糖質は、マルトースである。
→成分栄養剤に含まれる糖質は、デキストリンです。

2.×
成分栄養剤の窒素源は、ジペプチドである。
→成分栄養剤の窒素源はアミノ酸です。消化態栄養剤の窒素源にジペプチドが含まれます。

3.×
消化態栄養剤の糖質は、キシリトールである。
→消化態栄養剤の糖質は、デキストリンです。

4.×
消化態栄養剤の窒素源は、たんぱく質である。
→消化態栄養剤の窒素源は、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチドです。
半消化態栄養剤の窒素源にタンパク質が配合されています。

5.○
半消化態栄養剤の糖質は、デキストリンである。
→正しい選択肢です。

問題119

栄養素とその欠乏の評価に用いる臨床検査項目の組合せである。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1.たんぱく質 ―――――――― 尿中ケトン体
2.ビタミンB1 ――― プロトロンビン時間
3.ビタミンC ――――――――― 尿中ビリルビン
4.カルシウム ―――――――― 血清トリグリセリド
5.鉄 ―――――――――――― 血清フェリチン

正解→ 5

解説

1.×
たんぱく質 ― 尿中ケトン体
→たんぱく質欠乏の評価には、アルブミンやRTP(トランスサイレチン、レチノール結合蛋白、トランスフェリンなど)が
用いられます。
尿中ケトン体は、糖尿病のコントロール不良によりぶどう糖が十分に利用できないときや、栄養不良などにより糖質摂取
不足になると陽性となります。

2.×
ビタミンB1 ― プロトロンビン時間
→ビタミンB1 は血液中のビタミンB1 濃度により評価します。
プロトロンビン時間はビタミンK欠乏、重症肝障害、DICなどの指標となります。

3.×
ビタミンC ― 尿中ビリルビン
→ビタミンCは血液中のビタミンC濃度により評価します。
尿中ビリルビンは、急性肝炎や肝硬変などの肝細胞障害、閉塞性黄疸などの指標となります。

4.×
カルシウム ― 血清トリグリセリド
→カルシウム欠乏は血液中のカルシウム濃度により評価します。
血清トリグリセリドは、高値では脂質異常症、動脈硬化症、甲状腺機能低下症など、低値では、低栄養や
甲状腺機能亢進症などの指標となります。

5.○
鉄 ― 血清フェリチン
→正しい選択肢です。

問題120

医薬品の薬理効果に及ぼす食品の影響に関する記述である。(   )に入る正しいものの組合せはどれか。1つ選べ。

[ a ]であるカルシウム拮抗薬の薬理効果は、[ b ]を摂取することにより[ c ]する。

1. a:抗凝固薬  b:納豆            c:増強
2. a:抗凝固薬  b:グレープフルーツジュース  c:減弱
3. a:降圧薬   b:納豆            c:増強
4. a:降圧薬   b:グレープフルーツジュース  c:減弱
5. a:降圧薬   b:グレープフルーツジュース  c:増強

正解→ 5

解説

正解:【5】

降圧薬であるカルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースと同時摂取することで、血中濃度が上昇し薬が効きすぎる
状態になるため、低血圧症状があらわれてしまいます。
よって、【5】が正しい選択肢です。

薬と栄養・食事の相互作用として、この他に、ビタミンKを多く含む食品(納豆、クロレラなど)の摂取による抗凝固薬の
ワルファリンの作用減弱や、アルコール摂取による睡眠薬や向神経薬の作用増強などがあります。

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