管理栄養士 過去問 2019年度版 part6 51~60
問題51
食品の呈味とその主成分に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.わさびの辛味は、ピペリンによる。
2.干ししいたけのうま味は、グルタミン酸による。
3.にがうりの苦味は、テオフィリンによる。
4.柿の渋味は、不溶性ペクチンによる。
5.たけのこのえぐ味は、ホモゲンチジン酸による。
正解→ 5
解説
1.×
わさびの辛味成分はアリルイソチオシアネートです。テアニンは緑茶の旨味成分です。
2.×
干し椎茸の旨味は5’グアニル酸ナトリウムです。グルタミン酸は昆布の旨味成分です。
3.×
にがうりの苦味はモモルデシンです。テオフィリンは、茶葉に含まれます。
4.×
柿の渋味は水溶性タンニンです。
5.○
たけのこのえぐ味はホモゲンチジン酸です。
問題52
食品の物性に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.牛乳のカゼインミセルは、半透膜を通過できる。
2.寒天ゲルは、熱不可逆性のゲルである。
3.ゼリーは、分散媒が液体で分散相が固体である。
4.クッキーは、分散媒が固体で分散相が液体である。
5.ケチャップは、ダイラタンシー流動を示す。
正解→ 3
解説
1.×
牛乳のカゼインミセルは、半透膜を通過できません。
2.×
寒天ゲルは熱可逆性のゲルです。
3.○
ゼリーは分散媒が液体で分散相が固体です。
4.×
クッキーは、分散媒が個体で分散相が気体です。
5.×
ケチャップはチキソトロピー流動を示します。
ダイラタンシー流動はケーキを飾り付ける、泡立てたホイップクリームなどです。
問題53
食品衛生行政に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.保健所に配置される食品衛生監視員は、厚生労働大臣が任命する。
2.検疫所は、食中毒が発生した場合に原因究明の調査を行う。
3.検疫所は、輸入食品の衛生監視を担当している。
4.消費者庁長官は、食品中の農薬の残留基準を定める。
5.食品安全委員会は、厚生労働省に設置されている。
正解→ 3
解説
1.×
保健所に配置される食品衛生監視員は、都道府県知事または保健所設置市や特別区の長が任命します。
厚生労働大臣によって任命された食品衛生監視員は、国家公務員として検疫所に配置されます。
2.×
食中毒が発生した場合には、保健所長が原因究明の調査を行います。
検疫所では、主に船舶や航空機を介した感染症の国内への侵入を防止するために検疫を行っています。
3.○
検疫所は、輸入食品の衛生監視を担当しています。
4.×
食品中の農薬の残留基準を定めるのは、厚生労働大臣です。
5.×
食品安全委員会は内閣府に設置されています。
問題54
食品の変質に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
1.油脂の酸敗は、窒素ガスの充填によって抑制される。
2.アンモニアは、魚肉から発生する揮発性塩基窒素の成分である。
3.硫化水素は、食肉の含硫アミノ酸が微生物によって分解されて発生する。
4.ヒスタミンは、ヒスチジンが脱アミノ化されることで生成する。
5.K値は、ATP関連化合物が酵素的に代謝されると上昇する。
正解→ 4
解説
1.○
油脂の酸敗は、窒素ガスの充填によって抑制されます。
2.○
魚肉から発生する揮発性塩基窒素にはアンモニア、トリメチルアミンなどがあります。
3.○
硫化水素は、食肉の含硫アミノ酸が微生物によって分解されて発生します。
4.×
ヒスタミンは、ヒスチジンが脱炭酸化されることで生成します。
5.○
K値は、ATP関連化合物が酵素的に代謝されると上昇します。
問題55
細菌性およびウイルス性食中毒に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
1.ウェルシュ菌は、通性嫌気性芽胞菌である。
2.黄色ブドウ球菌の毒素は、煮沸処理では失活しない。
3.サルモネラ菌による食中毒の潜伏期間は、5~10日程度である。
4.ノロウイルスは、乾物からは感染しない。
5.カンピロバクターは、海産魚介類の生食から感染する場合が多い。
正解→ 2
解説
1.×
ウェルシュ菌は、嫌気性芽胞菌です。
ウェルシュ菌の食中毒の原因食品には、カレーやシチュー、煮物などの煮込み料理が多いです。
ウエルシュ菌の至適発育温度は、43?47℃と言われています。
症状は10時間程度たつと現れ、主に腹痛と下痢です。
2.○
黄色ブドウ球菌の毒素は、煮沸処理では失活しないです。
3.×
サルモネラ属菌による食中毒の潜伏期間は、5~72時間(平均12時間)程度です。
4.×
ノロウイルスは、乾物からも感染します。
5.×
カンピロバクターは、食肉製品(特に鶏肉や牛生レバー)から感染する場合が多いです。
問題56
腸管出血性大腸菌による食中毒に関する記述である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。
1.少量の菌数でも感染する。
2.毒素は、テトロドトキシンである。
3.潜伏期間は、2~10日間程度である。
4.主な症状は、腹痛と血便である。
5.溶血性尿毒症症候群(HUS)に移行する場合がある。
正解→ 2
解説
1.○
少量の菌数でも感染します。
2.×
毒素は、ベロ毒素です。テトロドトキシンは、フグ毒による食中毒の原因物質です。
3.○
潜伏期間は、2~10日間程度です。
4.○
主な症状は、腹痛と血便です。
5.○
溶血性尿毒症症候群(HUS)に移行する場合があります。
問題57
食品中の汚染物質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、水に溶けやすい。
2.デオキシニバレノールは、りんごを汚染するカビ毒である。
3.ストロンチウム90は、甲状腺に沈着しやすい。
4.メチル水銀の毒性は、中枢神経系に現れる。
5.アフラトキシンは、調理加熱で分解されやすい。
正解→ 4
解説
1.×
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、水に溶けにくく油に溶けやすいです。
2.×
デオキシニバレノールは、小麦や大麦、とうもろこし等を汚染するカビ毒です。
リンゴを汚染するカビ毒は、パツリンです。
3.×
ストロンチウム90は、骨(骨髄)に沈着しやすいです。甲状腺に沈着しやすいのは、ヨウ素131です。
4.○
メチル水銀の毒性は、中枢神経系に現れます。
5.×
アフラトキシンは、熱に強く、調理加熱では分解されません。
問題58
食品添加物に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
1.無毒性量は、ヒトへの試験をもとに設定される。
2.使用基準は、一日摂取許容量(ADI)を超えないように設定される。
3.指定添加物は、消費者庁長官によって指定される。
4.ソルビン酸カリウムは、酸化防止の目的で添加される。
5.オルトフェニルフェノールは、漂白の目的で添加される。
正解→ 2
解説
1.×
無毒性量は、動物実験をもとに設定されます。
2.○
使用基準は、一日摂取許容量(ADI)を超えないように設定されます。
×
指定添加物は、厚生労働大臣によって指定されます。
4.×
ソルビン酸カリウムは、保存料として添加されます。
5.×
オルトフェニルフェノールは、防カビ剤として添加されます。
問題59
特定保健用食品の関与成分とその表示の組合せである。
正しいのはどれか。1つ選べ。
1.キトサン ――――――――― 血圧の高めの方に適する食品
2.カゼイン由来ペプチド ――― コレステロールが高めの方に適する食品
3.フラクトオリゴ糖 ――――― 血糖値の気になり始めた方の食品
4.パラチノース ――――――― 虫歯の原因になりにくい食品
5.L-アラビノース ―――――― ミネラルの吸収を助ける食品
正解→ 4
解説
1.×
キトサン――――――――「コレステロールが高めの方に適する食品」
2.×
カゼイン由来ペプチド――「血圧が高めの方に適する食品」
3.×
フラクトオリゴ糖――――「お腹の調子を整える食品」
4.○
パラチノース――――――「虫歯の原因になりにくい食品」
5.×
L-アラビノース―――――「血糖値の気になり始めた方の食品」
問題60
食品表示法に基づく一般用加工食品の栄養成分表示に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
1.一般用加工食品には、栄養成分表示が推奨されている。
2.栄養成分の量および熱量の表示単位は、1食当たりとしなければならない。
3.熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物および食塩相当量以外の栄養成分についての表示はできない。
4.ナトリウム塩を添加していない食品は、「食塩相当量」を「ナトリウム○mg(食塩相当量△g)」に変えて
表示してもよい。
5.100g当たり糖類1g以下の食品は、「糖類ゼロ」と表示可能である。
正解→ 4
解説
1.×
一般用加工食品には、栄養成分表示の義務があります。
2.×
栄養成分の量および熱量の表示単位は、1食当たりでなくても、100g当たりや100ml当たり、1個当たり等の表示が可能です。
3.×
熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物および食塩相当量以外の栄養成分以外の表示も可能です。
4.○
ナトリウム塩を添加していない商品は、「食塩相当量」を「ナトリウム〇㎎(食塩相当量△g)」に変えて表示可能です。
5.×
100g当たり糖類0.5g以下の食品は、「糖類ゼロ」と表示可能です。
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