ヒスチジン

栄養素タンパク質日本語JA

必須アミノ酸のひとつで、ヒスタミンなどをつくるのに用いられます。

慢性的なアレルギーをお持ちの方の中には
「ヒスタミン」と言う言葉をご存知の方も居らっしゃるのではないでしょうか。

「ヒスタミン」と言う成分の持つ作用と「ヒスタミン」に関わりがある
「ヒスチジン」とは何か、詳しくみていきましょう。

ヒスタミンの薬理作用について

花粉症の季節って本当に憂うつですね…。

こうしたアレルギー反応を引き起こしているのは、
「ヒスタミン」と呼ばれる成分が原因だと言われています。

ヒスタミンは、体内に多くあるアミノ酸のひとつであり、
免疫系の伝達する物質でもあります。

花粉でくしゃみをしたり鼻水が出たりするのも、
ヒスタミンが原因です。

外から入ってきた本来はそこまで有害ではない花粉に
体が過剰反応を起こしてしまい、
ヒスタミンが分泌される為に、そういったいわゆるアレルギー反応が出ます。

それらの物質から守るために人間が本来持つ
防衛反応のひとつなので決して悪いことではないのですが、
春先にはついヒスタミンが憎らしくなってしまいますよね。

でも、この話を聞いたらヒスタミンをきっと見直したくなるはずです。

 それは「ヒスタミン」の持つ「食欲抑制」効果です。

ヒスタミンの持つ食欲抑制効果

ヒスタミンは、鼻詰まりやかゆみを引き起こすやっかいな特徴がある反面、
脳に入ると満腹中枢に作用して「食欲抑制」効果と交感神経を
刺激して「脂肪燃焼」の促進を期待できます。

脳内には、空腹感や満腹感を感じる「摂取中枢」「満腹中枢」が存在します。

食べても食べても空腹感を感じるのは「摂取中枢」が活発なためです。

食欲を抑えるためには、「満腹中枢」の方を活発にしなければいけません。

食事の際、よく噛んで食べると噛むと言う刺激により、ヒスタミンの分泌は活発になります。

ヒスタミンが脳内に入り、満腹中枢を刺激してくれる事で満腹度が高まり、
結果、食欲の抑制や脂肪燃焼を期待できるのです。

よく噛み、ヒスタミン分泌を活発にする方法として
「咀嚼法」と言うものがあります。
「咀嚼ダイエット法」とも呼ばれ、よく噛む事で
脳内にヒスタミンを増やしていくと言う方法です。

満腹中枢を刺激するにはとにかく噛む回数が大事なので、
一口で30回程度噛むと良いです。

ダイエットをしたい方は、日頃の食べ過ぎを抑えるために
薬やサプリメントでヒスタミンを直接服用すれば
いいと思うかもしれませんが、残念ながらそれは不可能です。

先ほどの説明の通り、ヒスタミンを摂取すると
アレルギー反応を起こす可能性があります。

そのため、ヒスタミンのサプリと言うものもありません。
そもそもヒスタミンだけを摂取しても、
食欲の抑制効果や脂肪燃焼促進は期待できません。

ヒスタミンのみの摂取は脳の手前にある「血液脳関門」と
呼ばれる器官を通れないため、脳のなかには入れないのです。

では、有効に摂取するためには、どうしたら良いでしょうか?

体内に必須アミノ酸として取り入れ、
脳内でヒスタミンにならなければ、その実力を発揮出来ません。

しかし、ある物質ならヒスタミンが通れなかった関門を通る事ができ、
且つ食欲抑制や脂肪燃焼のために有効なヒスタミンへと変化させる事が可能なのです。

そこで登場するのが、必須アミノ酸の「ヒスチジン」と言う成分です。

必須アミノ酸のヒスチジン

ヒスチジンは体内で作ることができないので、
外から摂り入れるしか摂取方法がありません。

そういったアミノ酸は他にも8つあります。

ちなみにすべてのアミノ酸が外から摂り入れるしかないという訳ではなく、
きちんと体内で生産できるものもあります。

そういったアミノ酸は、区別するために「非必須アミノ酸」と呼ばれています。

ヒスチジンは、大人の体内では作る事が出来ますが、子供の体内では作る事が出来ません。

それなら、ヒスチジンは必須アミノ酸であり、非必須アミノ酸でもある
…一体どっちなの?となりますよね。

実は以前、ヒスチジンは大人に対してのみ「非必須アミノ酸」と呼ばれていました。

しかし、ヒスチジンの不足により体内の窒素バランスの乱れや、
子供の体内では作られないと言う事から、
1985年に正式に「必須アミノ酸」に分類されました。

ヒスチジンはヒスタミンの材料となる成分です。

ヒスチジンはアミノ酸なので適切に取っている分には問題ありませんし、
薬などで摂取するとアレルギー反応を引き起こすヒスタミンとは違い、
ヒスタミンの材料となるヒスチジンをしっかり摂取する事で、
ヒスタミンが作られるので安心して摂取できますね。

ヒスチジンを多く含む食材

食材でヒスチジンを多く含んでいるのは、
マグロ、カツオ・ブリ・サバ・サンマなどの青魚や鶏胸肉、
チーズやヨーグルトなどの乳製品、
大豆やきな粉などの大豆製品などです。

特に多く含む食材は、青魚です。
カツオには100gあたり約2,500mg、
サバには約1,250mg、イワシには約1,000mgもの
ヒスチジンが含まれています。

大人の1日の必要摂取量は、
体重1kgに対し約10mgと言われています。
(例えば、体重が50kgの方の場合は500mgとなりますね)

体内でヒスチジンを作れない子供には積極的に摂って欲しい食材ですね。

食材から摂取する際は、注意すべき点がいくつかあります。

ヒスチジンを多く含む青魚ですが、
食材管理が不十分なものは鮮度が落ちてしまっています。
鮮度が落ちると、食材にヒスチジンから作られるヒスタミンが多く含まれた状態です。

ヒスタミンは加熱処理しても残ってしまう成分なので、
なるべく早いうちに食べる、常温放置せずすぐ冷蔵庫に保管する様に気を付けましょう。

最近の日本の食生活は、欧米化され、魚料理離れが目立ちます。

それでは、食事からヒスチジンを摂るのは難しく、
肥満になりやすい食生活になってしまいますね。

日常的に、ヒスチジンを多く含む魚料理などを取り入れるだけで、
脂肪燃焼や食欲抑制効果に有効なヒスチジンを摂取する事が出来ます。

健康維持を望まれている方は、普段からこうした食材を取るようにしましょう。

ヒスチジン→ヒスタミンの効果で脂肪燃焼と食欲抑制を期待でき、
健康維持の味方になってくれるはずです。

参考文献

https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=9&category=beauty

スポンサーリンク