管理栄養士 過去問 2019年度版 part5 41~50

管理栄養士2019

問題41

貧血に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.ビタミンB6欠乏は、巨赤芽球性貧血をきたす。
2.銅の欠乏は、再生不良性貧血をきたす。
3.溶血性貧血では、ハプトグロビン高値となる。
4.腎性貧血では、エリスロポエチン高値となる。
5.鉄欠乏性貧血では、不飽和鉄結合能(UIBC)高値となる。

正解→ 5

解説

1.×
巨赤芽球貧血はビタミンB12や葉酸の欠乏で引き起こされます。ビタミンB6の欠乏症は食欲不振や、口内炎等です。

2.×
再生不良貧血は骨髄における造血幹細胞の減少が原因です。
銅は、遺伝性等で吸収に問題がないかぎり欠乏症は起きにくいですが、サプリ等で過剰摂取になると、肝障害のリスクが
あります。

3.×
溶血性貧血は、パプトグロンビンは低値です。黄疸・CPK・LDH値の上昇が特徴的です。

4.×
腎性貧血は、腎機能が低下するのでエリスロポエチンは低値になります。

5.○
鉄欠乏性貧血の主な検査値として、低下するものは、血清フェリチン・血清鉄です。
上昇するものは不飽和鉄結合能(UIBC)、総鉄結合能(TBIC)です。

 

 

 

問題42

免疫グロブリンに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.1本のH鎖と1本のL鎖から構成される。
2.液性免疫を担当する。
3.血中に最も多く存在するのは、IgEである。
4.母乳中に最も多く存在するのは、IgMである。
5.IgAは、胎盤を通過する。

正解→ 2

解説

1.×
免疫グロブリンは、2本のH鎖と2本のL鎖で構成されているY字型のたんぱく質です。

2.○
液性免疫は別名「体液性免疫」ともいわれます。抗体や補体を中心とした免疫系で、抗体が血清中に溶けて存在します。

3.×
血清中では、IgG(70~75%)が多く含まれています。続いてIgA(15~20%)、IgM(10%)となっています。
しかし、体全体では、IgAの産出が最も多いです。

4.×
母乳中にはIgAが最も多く含まれています。特に初乳に多いです。

5.×
胎盤を通過できるのは唯一IgGだけです。

 

 

 

問題43

免疫・アレルギー疾患とその特徴的な症候の組合せである。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1.急性糸球体腎炎 ――――― 低血圧
2.強皮症 ――――――――― 蝶形紅斑
3.シェーグレン症候群 ――― 唾液分泌低下
4.バセドウ病 ――――――― 体重増加
5.橋本病 ――――――――― 眼球突出

正解→ 3

解説

1.×
急性腎体炎の症状として、血清補体値の低下、浮腫による体重増加、高血圧、A群β溶血性連鎖球菌の検出などがあります。
低血圧を引き起こす疾患として、橋本病やアジソン病などがあげられます。

2.×
強皮症の主な症状として、嚥下困難、レイノー現象、仮面様顔貌、肺線維症などがあげられます。
蝶型紅斑は全身性エリテマトーデスの症状の1つです。ほかに、ルーブス腎炎、神経障害、光線過敏症などがあげられます。

3.○
シェーグレン症候群の症状はほかに、涙や唾液の分泌量の減少があげられ、口内炎や、舌炎、結膜炎などがあります。

4.×
バセドウ病の症状は、体重減少、眼球突出、動機、血糖値上昇、疲労感などがあげられます。

5.×
橋本病の症状は、舌、口唇浮腫、思考力低下、寒がり、脱毛などがあげられます。

 

 

 

問題44

感染症の感染経路に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

1.結核は、空気感染である。
2.コレラは、水系感染である。
3.アニサキスは、いかの生食で感染する。
4.風疹は、胎児に垂直感染する。
5.C型肝炎は、経口感染である。

正解→ 5

解説

1.○
空気感染します。2類感染症に分類されています。

2.○
水系感染で、発展途上国などで感染が広がります。
再興感染症にも分類され、近年増加したり、将来的に問題になる可能性があります。

3.○
アニサキスは魚介類が原因で引き起こされます。寄生虫は50~70℃で死滅するので加熱すると死滅します。
また、アニサキスは-20℃でも死滅します

4.○
風疹だけではなく、産道感染でb型肝炎、梅毒などもあります。
動物から人への感染は水平感染といいます。

5.×
血液感染で引きおこります。ほかにも、B型、D型肝炎が血液感染です。経口感染は、A型、E型肝炎です。

 

 

 

問題45

いも類に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.じゃがいもの食用部は、塊根である。
2.さつまいもの主な炭水化物は、グルコマンナンである。
3.きくいもの主な炭水化物は、イヌリンである。
4.こんにゃくいもの主な炭水化物は、タピオカの原料となる。
5.さといもの粘性物質は、ポリグルタミン酸である。

正解→ 3

解説

1.×
ジャガイモの食用部位は塊茎です。塊根だとさつまいもです。

2.×
サツマイモの主な炭水化物はでんぷんです。グルコマンナンは、里芋の成分です。

3.○
きくいもは糖質にでんぷんを含まれていません。その代わりに、多糖体のイヌリンが含まれています。

4.×
こんにゃく芋の96%は水分でその他はグルコマンナンです。キャッサバはタピオカの原料になります。

5.×
里芋の粘度はガラクタンやマンナンによるものです。ポリグルタミン酸は納豆の粘り成分です。

 

 

 

問題46

果実類に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.パパイアに含まれるたんぱく質分解酵素は、ブロメラインである。
2.うんしゅうみかんの果肉に含まれる主なカロテノイドは、β-クリプトキサンチンである。
3.レモンの酸味は、酒石酸による。
4.グレープフルーツの苦味は、ヌートカトンによる。
5.りんごの特有な食感は、石細胞による。

正解→ 2

解説

1.×
パパイアのたんぱく質分解酵素はパパインです。パパインとリパーゼが酵素として主に働いています。
ブロメライン(ブロメリン)はパイナップルの酵素です。

2.○
βクリプトキサンチンは、1個当たり1~2mgはいっています。
オレンジやレモン、グレープフルーツの60倍ともいわれています。

3.×
レモンの酸味はクエン酸です。酒石酸はブドウに含まれます。酒石酸を含む果実は数少ないです。
また、ビタミンCも多く含まれています。

4.×
グレープルーツの苦味は、ナリンジンです。主に外皮は薄皮に含まれています。
ヌーカトンは香気成分で、ほかにリモネンも含まれています。

5.×
独特の触感があるのは梨です。梨は石細胞がたくさん含まれているのであのシャリシャリ感が出ます。

 

 

 

問題47

牛乳に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.主な糖質は、マンノースである。
2.主な脂質は、リン脂質である。
3.中鎖脂肪酸が含まれているのが特徴である。
4.加熱で変性するたんぱく質は、カゼインである。
5.LL牛乳は、低温長時間殺菌法で殺菌される。

正解→ 3

解説

1.×
炭水化物はラクトースがほとんどを占めます。ラクトースはカルシウムの吸収を促進させます。

2.×
脂質の98%はトリアシルグリセロールです。ほかに、コレステロール、脂溶性ビタミン、リン脂質などを含んでいます。

3.○
飽和脂肪酸を60~70%と多く含んでいます。
中鎖脂肪酸でもパルミチン酸などの二重結合のない中鎖脂肪酸が多く含まれいることが特徴です。
そのため、体内に蓄積されにくいです。

4.×
カゼインは100℃以下の加熱では変化しません。変化するのは、αラクトアルブミンなどです。

5.×
LL牛乳は「超高温短時間(UHT)滅菌」のことです。
ロングライフ牛乳ともいわれ、常温で長時間保存可能です。温度135℃から150℃で1秒から4秒で滅菌します。
低温長時間殺菌は、63℃で30分殺菌します。

 

 

 

問題48

調味料に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.みその褐色は、酵素反応による。
2.しょうゆのうま味は、全窒素分を指標とする。
3.みりん風調味料は、混成酒である。
4.バルサミコ酢の原料は、りんごである。
5.マヨネーズは、油中水滴型(W/O型)エマルションである。

正解→ 2

解説

1.×
味噌はアルボカルボニル反応(メイラード反応)です。
糖+アミノ酸によって反応が起こります。
酵素的変化の例として、にんにくのアリインをアリイナーゼという酵素が反応して、アリシンという香り成分を
生成します。

2.○
醤油のうまみ指標は全窒素分ではかられます。特選醤油だと全窒素分が1.5以上、標準だと1.2以上です。

3.×
酒類はアルコール1%以上のものの嗜好飲料です。
混成酒は、リキュール、梅酒などの醸造酒や蒸留酒に香料や甘味料・薬味を加えたものをいいます。
本みりんはアルコール14%なので分類されますがみりん風味調味料はアルコール1%未満なので含まれません。

4.×
バルサミコ酢の原料はブドウです。長期における樽貯蔵が特徴です。

5.×
マヨネーズは水中油滴型(o/w型)エマルション。湯中水滴型(w/o型)はバター、マーガリン)

 

 

 

問題49

食品の水分に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.水分活性は、食品の結合水が多くなると低下する。
2.微生物は、水分活性が低くなるほど増殖しやすい。
3.脂質は、水分活性が低くなるほど酸化反応を受けにくい。
4.水素結合は、水から氷になると消失する。
5.解凍時のドリップ量は、食品の緩慢凍結によって少なくなる。

正解→ 1

解説

1.○
水分活性が高いということは、自由水が多いということです。結合水が多いと自由水は少なくなります。

2.×
水分活性が低いほど、微生物の繁殖を抑えることができます。

3.×
脂質酸化は水分活性0.3~0.4付近で最も抑制されます。それより大きくても小さくても酸化は促進されます。

4.×
結合水は食品の成分と水素結合によって結合し束縛された水のことです。なので氷が水になるときに消失します。

5.×
解凍時のドリップは緩慢凍結によって増加します。急速凍結することで鮮度が保たれやすくなります。

 

 

 

問題50

食品とその色素成分の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.とうがらし ――― カプサイシン
2.すいか ――――― リコペン
3.いちご ――――― ベタニン
4.赤ビート ―――― フィコエリスリン
5.卵黄 ―――――― レンチオニン

正解→ 2

解説
1.×
とうがらしの色素成分はカプサンチンです。カプサイシンはとうがらしの辛味成分です。

2.○
すいかだけではなく、トマトも当てはまります。色素名はカロテノイドです。別名リコピンとも示されます。

3.×
イチゴの色素成分はカリステフィンです。ベタニンは赤かぶやビーツの色素成分です。

4.×
赤ビートの色素成分はベタニンです。フェイコエリスリンはあまのりなどの色素です。
紅藻類を加熱するとフェイコエリスリンが減少しクロロフィルやフィコシアニンは変化しないため色が変わる。

5.×
卵黄の色素成分はβカロテン、ルテインです。レンチオニンは干しシイタケの香気成分です。レンチニン酸が変化します。

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