管理栄養士 過去問 2019年度版 part4 31~40

管理栄養士2019

問題31

循環器疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.心房細動は、脳出血のリスク因子である。
2.心室細動は、致死性不整脈である。
3.心筋梗塞による胸痛には、ニトログリセリンが有効である。
4.仮面高血圧では、家庭血圧は正常である。
5.右心不全では、肺うっ血をきたす。

正解→ 2

解説

1.×
心房細動が起こると、心房内に血栓ができやすくなり、これが血管内を移動することで脳梗塞の原因となります。

2.○
致死性不整脈とは、死亡するリスクの高い不整脈のことで、心室細動がこれに該当します。

3.×
心筋梗塞による胸痛に、ニトログリセリンは効果がありません。
効果があるのは、狭心症によるものです。

4.×
仮面高血圧とは、診察室血圧が正常で、家庭での血圧が高血圧を示す状態のことです。

5.×
肺うっ血をきたすのは、左心不全です。

 

 

 

問題32

脳血管障害に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.ラクナ梗塞は、脳動脈瘤がリスク因子である。
2.一過性脳虚血発作(TIA)は、脳出血の前駆症状である。
3.脳出血は、頭部CTで低吸収領域として示される。
4.くも膜下出血は、症状に激烈な頭痛がある。
5.脳塞栓は、症状発現が緩徐である。

正解→ 4

解説

1.×
ラクナ梗塞は、窄通枝が閉塞します。高血圧が原因です。脳動脈瘤はくも膜下出血のリスク要因です。

2.×
脳出血ではなく、脳梗塞の前駆症状で、2日以内に症状が出るといわれています。

3.×
CTでは、高吸収領域です。

4.○
頭痛はかなりの激痛です。それに伴い吐き気などもあらわれます。

5.×
脳梗塞は急速に発症します。症状が突然現れるのが特徴です。

 

 

 

問題33

腎臓の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.原尿は、尿細管で生成される。
2.糸球体に流入する血液は、静脈血である。
3.アルドステロンは、カリウムの再吸収を促進する。
4.バソプレシンは、水の再吸収を促進する。
5.糸球体濾過量は、腎血流量の約90%である。

正解→ 4

解説

1.×
腎小体から原尿がつくられます。

2.×
糸球体にはいるのは、動脈血です。

3.×
アルドステロンはNaの再吸収を促進します。カリウムは排出されます。

4.○
抗利尿ホルモンとも呼ばれるほど、再吸収を促進します。

5.×
糸球体ろ過量が90%になることはないです。GFRは、男女別に設定された年齢とCr値を用いる計算式によって求められます。

 

 

 

問題34

腎・尿路系疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.急激な腎血流量減少は、腎前性急性腎不全の原因になる。
2.糖尿病腎症の第4期は、たんぱく尿の出現で判定される。
3.慢性腎不全では、低リン血症がみられる。
4.腎代替療法のうち最も多いのは、腎移植である。
5.無尿は、透析導入の必須項目である。

正解→ 1

解説

1.○
腎前性急性腎不全とは、腎臓は正常であるにもかかわらず、突然腎機能が低下することで起こります。

2.×
たんぱく尿の出現で判定されるのは、糖尿病腎症の第3期です。

3.×
慢性腎不全でみられるのは、高リン血症です。

4.×
腎代替療法で最も多いのは、透析です。

5.×
無尿は、透析導入の必須項目ではありません。
年齢や糖尿病を発症しているかどうかなどで判断し、透析を導入するかどうかを決定します。

 

 

 

問題35

内分泌疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.原発性アルドステロン症では、高カリウム血症がみられる。
2.甲状腺機能亢進症では、徐脈がみられる。
3.ADH不適切分泌症候群(SIADH)では、高ナトリウム血症がみられる。
4.褐色細胞腫では、低血糖がみられる。
5.クッシング症候群では、中心性肥満がみられる。

正解→ 5

解説

1.×
原発性アルドステロンは低カリウム血症、高血圧、代謝性アルカローシスの症状が現れます。

2.×
甲状腺亢進症では頻脈がみられます。バセドウ病などが例です。徐脈になるのは甲状腺低下症で橋本病などがあります。

3.×
ADHとは抗利尿ホルモンです。ADH不適切分泌症候群では、低ナトリウム血症がみられます。

4.×
褐色細胞腫では、高血糖になります。

5.○
クッシング症候群では満月様顔貌、皮下出血斑、水牛様肩も特徴的な症状です。

 

 

 

問題36

神経疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.脚気では、末梢神経の障害がみられる。
2.葉酸欠乏症では、脊髄の変性がみられる。
3.レビー小体型認知症の原因は、脳血管障害である。
4.アルツハイマー型認知症では、パーキンソン病様症状がみられる。
5.パーキンソン病では、錐体路の機能障害がみられる。

正解→ 1

解説

1.○
脚気は末端神経障害を引き起こすビタミンB1の欠乏症です。

2.×
葉酸欠乏症は、巨赤芽球貧血や、神経管閉鎖障害(二分脊椎)などがあります。

3.×
レビー小体型認知症の原因はまだ究明されていません。脳血管性認知症は脳血管障害が原因とされています。

4.×
アルツハイマー認知症は物忘れなどが顕著にみられることが多いです。
レビー小体型認知症でパーキンソン症状がみられます。

5.×
パーキンソン病は、錐体外路の機能障害です。
無動、筋固縮、静止時振戦、姿勢反射障害を4主徴(錐体外路症状)とするのがパーキンソン病です。

 

 

 

問題37

肺炎に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.クリプトコッカスは、細菌性肺炎の原因となる。
2.肺炎球菌は、非定型肺炎の原因となる。
3.市中肺炎は、入院後48時間以降に発症した肺炎である。
4.院内肺炎は、日和見感染であることが多い。
5.誤嚥性肺炎は、肺の上葉に好発する。

正解→ 4

解説

1.×
クリプトコッカスは真菌感染症で、細菌性肺炎の原因は、インフルエンザ菌や、肺炎球菌などがあります。

2.×
肺炎球菌は定型肺炎の原因になります。非定型肺炎の原因は、マイコプラズマやクラミジアなどがあります。

3.×
入院後48時間以降に発症する肺炎は院内肺炎です。
市中肺炎は、自宅など病院外で発症したことが確認される肺炎です。

4.○
日和見感染は、免疫力が低下したときにかかる感染症のことです。院内感染では日和見感染が起きやすいです。

5.×
誤嚥性肺炎は肺の下葉においてよく起こります。重力等の関係で下葉背部に多いです。

 

 

 

問題38

骨に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.骨の主な無機質成分は、炭酸カルシウムである。
2.骨端軟骨は、骨端の関節面を覆う。
3.骨への力学的負荷は、骨量を増加させる。
4.骨芽細胞は、骨吸収を行う。
5.ビスホスホネート薬は、骨吸収を促進する。

正解→ 3

解説

1.×
骨の主な無機質成分は、リン酸カルシウムです。

2.×
骨端軟骨は骨端と骨幹を区別する軟骨です。骨端の関節面を覆うのは、関節軟骨といいます。

3.○
骨は運動等の衝撃や負荷によって骨量が増加します。

4.×
骨芽細胞は、骨形成を行います。骨吸収を行うのは、破骨細胞です。
骨吸収は副甲状腺ホルモンによって促進、カルシトニンによって抑制されます。

5×
ピスポスホネート薬は、骨吸収を抑制します。骨吸収の抑制薬として、SERM,カルシトニンも同様です。

 

 

 

問題39

神経系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.交感神経が興奮すると、消化管の運動は亢進する。
2.副交感神経が興奮すると、唾液の分泌は減少する。
3.摂食中枢は、延髄にある。
4.三叉神経は、味覚の伝達に関与する。
5.味蕾は、味覚の受容器である。

正解→ 5

解説

1.×
交感神経が興奮すると、消化管の動きは低下します。

2.×
副交感神経が興奮すると唾液の分泌は増加します。
交感神経:散瞳、心拍数増加、血圧上昇などエネルギーを消費
副交感神経:消火菅運動の亢進などエネルギーの確保
というイメージです。

3.×
摂食中枢は、間脳の視床下部にあります。

4.×
三叉神経は、咀嚼運動を行います。三叉神経は顔面の皮膚、鼻腔、航空粘膜の感覚を伝ています。

5.○
味蕾は舌や軟口蓋などに存在する器官で、食べ物の味を感じます。

 

 

 

問題40

生殖器の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.卵巣は、卵胞刺激ホルモンを分泌する。
2.子宮は、底部で膣と連続している。
3.子宮内膜の増殖は、エストロゲンで促進される。
4.前立腺は、内分泌腺である。
5.精子は、精嚢で作られる。

正解→ 3

解説

1.×
卵胞刺激ホルモンを分泌するのは、脳下垂体前葉です。

2.×
子宮は、底部で卵管と連続しています。

3.○
卵胞ホルモンとも呼ばれるエストロゲンは、排卵前に多く分泌され、子宮内膜の増殖を促進します。

4.×
前立腺は、外分泌腺です。

5.×
精子は、精巣で作られます。

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