20 カルシウムCa

栄養素まとめ 日本Japanese

カルシウムは、骨や歯の材料であり、

カルシウムはすべての生命活動の
中心的役割を果たしているミネラルなのです。

体内で重要な働きをするカルシウムは、
骨にしっかり貯蔵されています。

そして例えカルシウムを長い間食べなかったとしても、
骨を溶かしてまでも濃度を保とうとするシステムが出来上がっています。

カルシウムの分布

カルシウムはからだの中で最も多いミネラルです。
大人の場合、約1kgのカルシウムが存在するといわれ、
そのうちの99%が骨や歯に、残りの1%が血液中や細胞に存在します。

カルシウムはさまざまな反応の引き金になる

カルシウムで最も重要なことは、
細胞内:細胞外=1:10000という割合で存在しているということです。

この割合がきちんと保たれることによって、
ホルモンや神経伝達物質などがきちんと分泌されたり、
筋肉が鋭敏に動いたりという反応がスムーズにできています。
カルシウムはいろんな反応の引き金の役割を果たしているのです。

カルシウムの吸収

細胞内外のカルシウム分布の割合

食品から摂ったカルシウムはまず胃酸などによって溶かされ、
主に小腸で吸収されます。
小腸上部の吸収には活性型ビタミンDが必要です。

こうして吸収されたカルシウムは、
いざというときに備えて骨に蓄えられていきます。

カルシウム吸収促進因子と阻害因子 ~CPPとカルシウム~

カルシウムを吸収するとき、
小腸下部にリン酸があるとこの2つがくっついてしまい、
カルシウムが吸収されにくくなってしまいます。

CPPはこのリン酸とカルシウムがくっつく邪魔をし、
カルシウムの吸収率を上げてくれます。

小腸内でのカルシウム吸収における促進因子と阻害因子

カルシウム吸収に不可欠な因子


活性型ビタミンD3、マグネシウム、胃酸

カルシウム吸収を促進する因子
CPP(カゼインホスホペプタイド)、乳糖

カルシウム吸収を阻害する因子
リン酸、シュウ酸、フィチン酸、多量の食物繊維

カルシウムの働き

カルシウムには以下のような働きがあります。

骨や歯の材料となる
イライラやストレスなどを静め、神経を安定させる
筋肉(平滑筋を含む)の収縮に不可欠
体内のイオンバランスを正常値に維持する
体内の浸透圧を一定に保つ
血液凝固促進作用
心筋の機能を正常に保つ
抗アレルギー作用

これらの働きを維持するために、
からだは何重もの工夫を凝らして、
体内のカルシウムを維持しています。

骨カルシウム

人の骨格を形成し、運動の支柱となる
血清カルシウム濃度を維持するための貯蔵庫としての役目

血清カルシウム(血液に含まれているカルシウム)

神経や筋肉の興奮性の調節
血液凝固因子の活性化
骨石灰化の促進

細胞内カルシウム

分泌の合図(ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、消化酵素など)
筋肉の収縮
酵素活性の調節(酵素を活性化・不活性化させる)
細胞増殖、細胞の分化、細胞形態の維持
※細胞内カルシウムはからだの中で重要な情報を
伝える役目をするセカンドメッセンジャーとしてのはたらきもあります。

カルシウム不足の症状

カルシウムが不足すると次のような症状や病気が起こる可能性が出ます。

小児のくる病
骨粗鬆症
心疾患
高血圧症
動脈硬化
妊娠高血圧症候群

認知障害
免疫異常
糖尿病
肥満
腫瘍
軟骨の変性と変形性関節症

せっかく摂ったカルシウム無駄にしていませんか?~リンとカルシウム~

リンとカルシウムはくっついてしまうと、小腸で吸収されにくくなってしまいます。

リンは魚類、乳製品、大豆、肉類など
一般的な食品に広く含まれている成分ですが、
スナック菓子や冷凍食品、加工食品などに含まれる過剰なリンは、
体内に入ったカルシウムを排泄してしまいます。
リンの過剰摂取には気をつけましょう。

また、精製された糖を摂りすぎると、
食事で摂取したカルシウムの80%近くが
体外に排泄されてしまうことがあります。

マグネシウムと一緒に ~カルシウムとマグネシウム~

マグネシウムはカルシウムの働きに重要な役割を果たしています。

カルシウムとマグネシウムが一定の比で存在することが、
私たちのからだの調子を整えてくれるのです。

カルシウムを摂るときはマグネシウムも一緒に摂りましょう。

摂取するときの比はカルシウム:マグネシウム=2:1
とする文献が多いですが、
その比は1:1がいいのではないか、という意見もあります。

カルシウムを多く含む食品

1食あたりに必要なカルシウムの量は221mgです。
カルシウムを多く含まれる野菜は以下です。

カブの葉
しそ
小松菜

参考文献

https://www.orthomolecular.jp/nutrition/calcium/

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