調理師 過去問 2017年度版 part1 1~10
問題1
日本国憲法で「 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定した条文として、
正しいものを一つ選びなさい。
1.第9条
2.第14条
3.第23条
4.第25条
正解→ 4
解説
日本国憲法 第25条
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
に続いて
「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければ
ならない。」とあります。
(1)(2)(3)は調理士試験に直接関係ないテーマとなっています。どれも重要な条文なので、記憶しておくと
よいでしょう。
(1)× 第9条は「戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認」なので、関係ありません。
(2)× 第14条は「平等原則、貴族制度の否認及び栄典の限界」なので、関係ありません。
(3)× 第23条は「学問の自由は、これを保障する。」なので、関係ありません。
問題2
集団の健康水準を表す指標として、誤っているものを一つ選びなさい。
1.合計特殊出生率
2.罹患率
3.有訴者率
4.受療率
正解→ 1
解説
(1)合計特殊出生率…1人の女性が15歳から49歳までの間に出産する子供の数の平均。
(2)罹患率…ある集団において、疾病の発症頻度をあらわす指標。
(3)有訴者率…人口1000人あたりの、病気や怪我などの自覚症状がある人の比率。
(4)受療率…ある1日に、何人の患者が医療機関を受診したかをあらわす数値。
(2)(3)(4)は集団の健康基準をあらわす指標として合致します。
問題3
生態系に関する記述で、[ ]に入る語句の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。
『[ A ]は無機質から有機物を生産し、[ B ]は有機物を無機質に分解する。』
1.[ A ]生産者 ―― [ B ]分解者
2.[ A ]生産者 ―― [ B ]消費者
3.[ A ]消費者 ―― [ B ]分解者
4.[ A ]消費者 ―― [ B ]生産者
正解→ 1
解説
生態系における生物は
・生産者(植物、海藻など)
・消費者(ヒトを含む動物)
・分解者(菌類など)
の3つにわけられます。
地球では、
生産者は無機物から有機物を作り、
消費者は有機物を栄養として取り込み、排泄し、
分解者は有機物である排泄物を無機物へと分解する…
というサイクルが成り立っています。
このサイクルを設問に当てはめてみましょう。
[A]は無機質から有機物を生産し、[B]は有機物を無機質に分解する。
空欄に入るのは、(1)生産者ー分解者となります。
問題4
疾病予防の段階における第2次予防に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.地域における健康支援環境の整備
2.健康増進及び特異的予防
3.疾病の早期発見・早期治療
4.活動制限の防止及びリハビリテーション
正解→ 3
解説
予防医学の概念です。内容を把握しておきましょう。
医学には「治療医学」と「予防医学」があります。
名前のとおり、治療医学はすでに疾病にかかった人を治すため、予防医学は疾病を予防するために
行われるものです。
また予防医学は、疾病を予防するだけでなく、心身の健康を増進することで、寿命を延ばしたり生活の質を
向上させたりする目的もあります。
予防医学の概念は、第1、第2、第3の3段階に分類されています。
【第1次予防】
健康増進(生活習慣の改善)、特異的予防(予防接種、事故防止対策など)、地域における健康支援環境の
整備(健康教育など)
【第2次予防】
疾病の早期発見・早期治療(検診、保健指導など)
【第3次予防】
社会復帰、再発予防を目指す(リハビリテーションなど)
…よって、設問で問われる「疾病予防の段階における第2次予防」に該当するのは、
(3) 疾病の早期発見・早期治療となります。
(1)× 地域における健康支援環境の整備は「第1次予防」です。
(2)× 健康増進及び特異的予防は「第1次予防」です。
(4)× 活動制限の防止及びリハビリテーションは「第3次予防」です。
問題5
調理師法第1条に規定されている調理師の業務と社会的役割に関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。
1.調理の業務に従事する者の資質を向上させる。
2.調理技術の合理的な発達を図る。
3.国民の食生活の向上に寄与する。
4.調理師の経済的な安定を図る。
正解→ 4
解説
第1条~第11条で構成される「調理師法」の最初に出てくる条文です。
調理師のための法律のなかでも特に重要な条文なので、調理師の方はぜひ把握しておきたいです。
【調理師法 第1条(目的)】
この法律は、調理師の資格等を定めて調理の業務に従事する者の資質を向上させることにより調理技術の
合理的な発達を図り、もつて国民の食生活の向上に資することを目的とする。
(参照…調理師法)
よって、設問の「調理師法第1条で規定されている調理師の業務と社会的役割に関する記述」に該当するのは、
(1) 調理の業務に従事する者の資質を向上させる。
(2) 調理技術の合理的な発達を図る。
(3) 国民の食生活の向上に寄与する。
です。
よって(4) 調理師の経済的な安定を図る。が誤っており、(4)を選択するのが正解となります。
問題6
総務省統計局による平成28年9月15日現在の人口推計による、我が国の総人口に対する高齢者人口が占める
割合の社会状況として、正しいものを一つ選びなさい。
1.高齢社会
2.高齢化社会
3.後期高齢者社会
4.超高齢社会
正解→ 4
解説
「高齢者」は65歳以上、「後期高齢者」は75歳以上と定義されています。
また高齢社会は次のように定義されています。
・高齢化社会…全人口のうち高齢者の割合が7%を超えた時
・高齢社会…全人口のうち高齢者の割合が14%を超えた時
・超高齢社会…全人口のうち高齢者の割合が21%を超えた時
・後期高齢化社会…全人口のうち後期高齢者の割合が7%を超えた時
・後期高齢社会…全人口のうち後期高齢者の割合が14%を超えた時
平成28年9月15日現在、全人口に対する高齢者の割合は26.7%でした。
よって、該当する選択肢は(4)超高齢社会となります。
問題7
健康日本21( 第二次 )に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.目標の設定期間は20年間である。
2.生活習慣病の早期発見、早期治療に重点を置いている。
3.健康格差の縮小の実現を図ることを目的としている。
4.地域保健法には、「 健康日本21 」を推進するための地方計画の策定が規定されている。
正解→ 3
解説
健康日本21(第2次)は、厚生労働省が推進する、国民の健康づくりを目的とした対策のことです。
「21世紀における国民健康づくり運動」を略して、健康日本21(第2次)と呼ばれます。
健康日本21(第二次)は、平成25年~平成34年の10年間を対象に策定された計画です。
基本的な方向は以下となっています。
1. 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
2. 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底
3. 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
4. 健康を支え、守るための社会環境の整備
5. 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口
腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善
(3)の内容は、健康寿命の延伸と健康格差の縮小」のことをあらわしています。よって、(3)が正解です。
健康寿命というのは、日常生活が制限されることなく生活できる期間のこと、健康格差は地域差や
社会経済状況の差によって生まれる健康状態の差のことです。
(1)× 目標の設定期間は20年ではなく10年間です。
(2)× 早期治療には重点を置いていません。
(4)× 地域保健法では制定されていません。
問題8
職場における熱中症の予防対策に関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。
1.高温多湿作業場所の近隣に、冷房を備えた休憩場所又は日陰等の涼しい休憩場所を設ける。
2.作業の休止時間や休憩時間を確保し、高温多湿作業場所の作業を連続して行う時間を短縮する。
3.高温多湿作業場所の労働者を作業に従事させる場合には、熱への順化期間を設けることが望ましい。
4.自覚症状が出たら、水分及び塩分の摂取を行う。
正解→ 4
解説
「自覚症状が出たら」が誤りです。
熱中症を予防するためには、のどが渇いていなくても、こまめに水分・塩分を摂取することが大切です。
よって(4)は誤っています。
(1) 高温多湿作業場所で作業する場合は、涼しい休憩所を確保する必要があります。
なるべく冷房を備えた休憩所を設置することがのぞましいです。
(2)定期的に休憩を取り、高温多湿作業場所で連続して作業をすることがないようにする必要があります。
(3) 急に高温多湿な環境で長時間作業すると熱中症になりやすいので、1週間くらいかけて短時間ずつ徐々に
作業時間をのばし、体を暑さに慣れさせていくことが勧められています。
問題9
上水道に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.水道中のトリハロメタンは、オゾン処理により生じる。
2.水道法の水質基準によると、大腸菌は検出してはならない。
3.クリプトスポリジウムは、煮沸では死滅しない。
4.クリプトスポリジウムは、通常の塩素消毒で死滅する。
正解→ 2
解説
上水道は、水道法によって規定されている水質基準をクリアしていなければなりません。
51項目の基準値が規定されており、そのうち大腸菌は「検出されないこと」が基準とされています。
大腸菌の有無は、糞便による汚染の指標となっています。
(1)× 水道中のトリハロメタンは、水道に含まれる消毒の残留塩素が変化したものです。
発がん性があると言われています。
(3) × 水や食品の汚染で経口感染を起こすことのある原虫「クリプトスポリジウム」は、熱に弱いので
煮沸で死滅させることができます。
生水を飲む時には感染に注意が必要です。
(4)× クリプトスポリジウムは塩素に耐性があり、塩素消毒で死滅させることができません。
水道水から検出されることはめったにありませんが、過去に何らかの理由で上水道に混入し集団感染が
起こっています。
問題10
休養とストレスに関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.山登りなど肉体的なことでも、休養効果は高いものがある。
2.長期休暇中に出勤し気ままに過ごすことでも、休養効果を得る。
3.ストレスの原因(ストレッサー)は、心理的なものを指し、物理的なものは指さない。
4.ストレス病の発症は環境要因によるもので、個人的な因子はほとんどない。
正解→ 1
解説
運動には、体の血行を促進して、脳神経やからだの機能をリフレッシュさせる効能があるためです。
また、山登りの場合だと、景観を楽しむ、達成感を味わうといった心理的な良い効果もあります。
(2)× 仕事のことは気にせず、休暇をすることが大切です。
休暇期間と労働時間はしっかり分けるのが基本です。
(3)× ストレッサーは心理的なものだけではありません。
代表的なストレッサーには、次の種類が知られます。
心理的なストレッサー…緊張、不安、悩みなど
物理的なストレッサー…寒暖差、騒音、悪臭など
生理的なストレッサー…疲労、病気など
(4)× ストレス病は、ストレスを受けることで心身の機能が乱れて発症する病気です。
よく知られるものに、心身症、自律神経失調症、過敏性腸症候群などがあります。
環境要因(外部から受けるストレス)だけでなく、個人的な因子(年齢、性別、性格、行動パターンなど)も
関係します。
