調理師 過去問 2017年度版 part5 41~50
問題41
いも類に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.じゃがいもには、ポリフェノールオキシダーゼは含まれていない。
2.さつまいもは、ゆっくり加熱すると甘味が強くなる。
3.やまのいもの皮には、有毒なソラニンが含まれる。
4.マッシュポテトには、粘質のメークインが適している。
正解→ 2
解説
2.さつまいもは、ゆっくり加熱すると甘味が強くなる。
が正解です。
さつまいもは、時間をかけて温度を上げたほうが、含まれるでんぷんが糖分(マルトース)に効率よく分解され
やすいので、甘みが強くなります。
でんぷんは65~75℃のときに最もマルトースに分解されやすいです。
電子レンジのように急速に高温で加熱される調理法だと甘みが引き出しにくく、時間をかけてじっくり焼いた
ほうが甘みは強くなります。
1.
× ポリフェノールオキシダーゼは、酸化した野菜や果物を褐色に変色させる酵素です。
じゃがいも、りんご、もやしなどの褐変の原因になります。
3.
× ソラニンが含まれているのはじゃがいもの皮や芽です。
4.
× マッシュポテトには、ほくほくした男爵(だんしゃく)が適しています。
問題42
削り節( かつお )のだしの取り方に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.沸騰水中に入れて、短時間で取り出す。
2.水から入れて、沸騰直前に取り出す。
3.微温湯に入れて、長時間放置する。
4.水から入れて、沸騰後15分加熱する。
正解→ 1
解説
1.沸騰水中に入れて、短時間で取り出す。
が正解です。
一番だしの取り方に関する問題と思われます。
【一番だしの取り方】
1.鍋で水を沸騰させ、火を止めてかつおぶしを入れる。
2.そのまま1~2分おいてから、ふきんなどを敷いたざるでこす。
二番だしは、水に出しがらを入れ、火にかけて沸騰後10分加熱し、削り節を加えて火を止めて作ります。
その後、ざるでこして完成です。
2.
× 水ではなく、沸騰した湯に入れます。
3.
× 微温湯に入れることも長時間放置することもありません。
4.
× かつお節を水に入れることも沸騰後に加熱することもありません。
問題43
和食調理の基本五法の組み合わせに関する記述で、[ ]に入る語句の組み合わせとして、正しいものを一つ
選びなさい。
『 なまもの調理、煮物、[ A ]、焼き物、[ B ]』
1.[ A ]炒め物 [ B ]和え物
2.[ A ]汁物 [ B ]炒め物
3.[ A ]揚げ物 [ B ]寄せ物
4.[ A ]蒸し物 [ B ]揚げ物
正解→ 4
解説
和食調理の基本五法は
なまもの調理
煮物
蒸し物
焼き物
揚げ物
です。よって、
4.[ A ]蒸し物 [ B ]揚げ物
が正解です。
間違えて寄せ物、和え物を選んでしまわないよう、五法は確実に覚えておきましょう。
問題44
電子レンジに関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.加熱むらを防ぐには、一度に大量加熱をおこなう。
2.短時間加熱なので、ビタミン類の損失が大きい。
3.水分の蒸発が多いので、アルミホイルで包むとよい。
4.食品内部での発熱なので、熱効率がよい。
正解→ 4
解説
1.
× 加熱ムラを防ぐには、大量の物を一度に温めるより小分けして温めた方が良いです。
ほとんどの電子レンジは上からマイクロ波が出ます。
そして、マイクロ波は読んで字のごとく”波”ですので電子レンジに入れた食物が大きければそれだけ
マイクロ波が効率よく当たらず、加熱ムラが出来てしまいます。
2.
× 水溶性ビタミンは茹でることで流出してしまいます。茹で時間が長ければそれだけビタミンの損失量も
増えてしまいます。
電子レンジは短時間で加熱するのと、素材の水分で加熱できるので、ビタミンの損失は少ないと言えます。
3.
× アルミホイルを電子レンジで使用する事は大変危険です。
電子レンジから出るマイクロ波という電磁波はアルミなどにあたると電磁誘導という現象により電流が発生
します。
アルミホイルの尖った部分が電流の出口となりそこから一気に放電し、火花がでます。
電子レンジの故障や火災などの危険があります。
4.
〇 補足すると、マイクロ波(電磁波)は、食品の端から端まで通過するため、内部の水分子は外部とほぼ同じ
ように振動し、全体が温められていきます。
問題45
蒸し物に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.調理中は湯が不足しないように、時々蓋を開けて確認する。
2.蒸し器に食品を入れてから点火した方が、庫内の温度が下がらない。
3.蒸し器を何段か重ねて使う時は、途中で上下を入れ替える。
4.多くの蒸し物では、加熱中に味付けを行う。
正解→ 3
解説
3.蒸し器を何段か重ねて使う時は、途中で上下を入れ替える。
が正解です。
蒸し物は、蒸し器で湯を沸騰させ、蒸気の熱で食品を加熱する調理法です。
蒸し器を何段か重ねて使う場合、上段と下段では熱源からの距離に差があり、蒸しむらが生じやすくなるので、
途中で上下を入れ替え、均等に加熱します。
1.
× 何度も蓋を開けると庫内の温度が下がりやすくなるので、湯の量を確認する時は蓋を少しずらします。
湯が少ない場合には熱湯をつぎ足し、庫内の温度を保ちます。
2.
× 食品を入れることで庫内の温度が下がりやすいので、先に点火し蒸気がしっかり上がっている状態になって
から、食品を入れます。
点火する前に食品を入れることは、蒸気の温度が下がって食品の表面に水滴がつきやすくなるので、
良くありません。
4.
× 加熱中には味つけをすることはほとんどありません。
蓋をしたまま加熱を行うので、下ごしらえの段階で適切な味付けをしておくことが大切です。
問題46
食肉類の軟化に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.筋繊維を切らないようにして加熱すると軟化する。
2.しょうがのしぼり汁に浸漬してから加熱すると軟化する。
3.キウイフルーツには、食肉の軟化効果はない。
4.等電点より高いほど軟化効果がある。
正解→ 2
解説
2.しょうがのしぼり汁に浸漬してから加熱すると軟化する。
が正解です。
肉は、加熱することでたんぱく質が変性します。
ミオチンなどの筋原線維たんぱく質は加熱すると収縮するので、加熱した肉は弾力性が生まれて硬い食感になり
やすいのです。
肉を加熱する際は、
・筋繊維を分解する
・たんぱく質の変性を遅らせる
・肉の水分を保つ
といった方法で軟化させることができます。
しょうがには「プロテアーゼ」というたんぱく質分解酵素が含まれています。
そのため、しょうがのしぼり汁に浸漬するとたんぱく質の繊維が分解され、加熱して硬くなるのを防ぐことが
できます。
プロテアーゼは、しょうがのほかキウイフルーツ、パパイヤ、パイナップルなどに含まれます。
1.
× 筋繊維を切って分解することで、たんぱく質の繊維が収縮するのを防ぎ、柔らかく仕上げることが
できます。
3.
× キウイフルーツに含まれるプロテアーゼがたんぱく質の繊維を分解し、肉を軟化させます。
4.
× 分かりにくい問題ですが、等電点よりpHを酸性、アルカリ性に傾けるほど肉を軟化させることができる…と
いえます。
等電点とは、酸とアルカリの性質を持つ両性物質の、正電荷と負電荷の大きさがちょうど等しくなるときのpHの
ことです。
肉の等電点はpH5.5?6で、肉の保水性が最も低い状態になります。
そこで肉を酢に漬けてpHを酸性に傾けたり、肉に重曹をつけてpHをアルカリに傾けたりすると、肉の保水性が
高まり、ジューシーで柔らかく仕上げることができるのです。
問題47
野菜類の調理に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.カルシウムの損失率は、1%の食塩水で煮ると多くなる。
2.葉物野菜は、ゆでる調理より炒める調理の方がビタミンCの損失は多い。
3.きゅうりを切ると、ビタミンC抗酸化酵素が活性化し、ビタミンCの破壊を防ぐ。
4.わらび、えんどうをゆでる時、重そうを入れると繊維がかたくなる。
正解→ 1
解説
1.
〇 食塩を入れずに茹でるよりも食塩を入れたときの方がカルシウムの損失は多くなります。
2.
× ビタミン?は水溶性のビタミンなので、炒めるよりも茹でる方が損失は多くなります。
主な脂溶性ビタミンはビタミンA、ビタミン?、ビタミンE、などです。
3.
× きゅうりに含まれるアスコルビン酸酸化酵素は、「還元型ビタミン?」を体に影響が無い
「酸化型ビタミン?」に変えてしまうことから、「ビタミン?を壊してしまう酵素」と、考えられていました。
ですが実際には、酸化型ビタミン?は、体内で還元型ビタミン?に戻る事が、近年の研究で分かったことから、
酵素によるビタミン?の破壊も、減少も、破壊を防ぐこともないということになります。
4.
× 木の灰や重曹などはアルカリ性です、
アルカリ性物質には繊維を柔らかくして、アクの成分を溶け出しやすくする効果があります。
したがって繊維は硬くなりません。
問題48
食酢に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.野菜類の漬物や酢飯には、防腐効果はない。
2.カリフラワーに食酢を加えてゆでると、緑色が増す。
3.新しょうがを甘酢に漬けると、赤くなる。
4.魚を酢じめにすると、脱水作用により魚肉が軟化する。
正解→ 3
解説
3.新しょうがを甘酢に漬けると、赤くなる。
が正解です。
新しょうがを甘酢に漬けると赤くなるのは、しょうがに含まれるアントシアン系の色素が食酢の酸に反応して、
赤色に変化するためです。
ちなみに、古いしょうがはアントシアニン色素が少ないので、甘酢に漬けてもなかなか赤くなりません。
1.
× 食酢には防腐効果があります。
殺菌作用によって、野菜類の漬物や酢飯に雑菌が増殖するのを防ぎます。
2.
× カリフラワーをゆでる時に食酢を入れると、緑色ではなく白さが増します。
カリフラワーは水だけでゆでると黒ずみやすいのですが、食酢を加えてゆでると変色を防ぐので、カリフラワー
の白さを保つことができるのです。
4.
× 脱水作用ではなく「保水」作用によるものです。
魚を酢じめにすると、食酢が魚を酸性に傾けて保水性を高め、魚肉の軟化を進めます。
食酢に漬けると保水性が高まるのは、たんぱく質のpHが低くなると、たんぱく質の繊維の間にすき間が生まれ、
そこに水分が入り込みむためです。
問題49
でんぷんの調理性に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.でんぷんは、油脂を加えて加熱すると、消化のよい糊化でんぷんが得られる。
2.糊化でんぷんは、放置すると粘りがなくなり、老化でんぷんに変わる。
3.同濃度のでんぷん糊は、じゃがいもでんぷんより、トウモロコシでんぷんの方が粘りが高い。
4.でんぷん糊は、砂糖を加えると老化しやすくなる。
正解→ 2
解説
1.
× デンプンは油脂ではなく、水を加え加熱すると、デンプン粒は吸水して次第に膨張します。
2.
〇 デンプンに水を加えて加熱すると、糊化が始まります。そして温度が上がるにつれて粘性が増し、
その内に全体が糊状となります。
それを放置して、冷えてくると粘性を失い、最終的にゲル状になり、水が遊離してだんだんしみだしてきます。
この状態を老化と言います。
3.
× ジャガイモの方が粘りが強いです。
ジャガイモは、片栗粉
トウモロコシは、コーンスターチ
になります。コーンスターチに比べて片栗粉の方が粘りは強いです。
温度が下がったとき片栗粉は粘りが下がりますが、コーンスターチは持続します。
4.
× 糊化したでん粉は水に囲まれた状態にあります。砂糖は水を強く引き付ける性質があるので、少量の水に
溶け込むことができます。
糊化でん粉の水分の保持に効果があるため、砂糖を加えると老化しにくくなります。
問題50
野菜・果実類の酵素に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
1.切ったりんごの表面に砂糖を振ると、褐変防止になる。
2.ゆでたじゃがいもの皮をむいて放置すると、褐変する。
3.むいたバナナの表面にレモン汁をふりかけると、褐変を遅らせることができる。
4.パイナップルは、生・缶詰とも酢豚の肉を柔らかくする。
正解→ 3
解説
3. むいたバナナの表面にレモン汁をふりかけると、褐変を遅らせることができる。
が正解です。
むいたバナナの表面が褐変するのは、バナナに含まれるポリフェノールが空気に触れ、酸化が起こるためです。
酸化する時、バナナに含まれる酵素がメラニンという色素を作り出すので褐変が起こります。
レモン汁に含まれるビタミンCには「抗酸化作用」があります。
そのため、りんごやバナナのようなポリフェノールを含む果物にレモン汁をかけると、ビタミンCの抗酸化作用
によって、褐変を防ぐことができます。
1.
× 切ったりんごは、塩水か砂糖水に漬けると褐変を防ぐことができます。
これは、塩水や砂糖水がりんごの表面に膜を作り酸素を遮断することと、塩水や砂糖水が酵素のはたらきを
さまたげることで、酸化を抑えるからです。
ただ、砂糖を「振った」だけではあまり効果が得られません。
砂糖水に漬けて、全体をまんべんなくコーティングすることが大切です。
2.
× じゃがいもを加熱すると、皮をむいたり放置したりしても変色することはありません。
じゃがいもの皮をむいて放置すると褐変が起こるのは、生のじゃがいもに含まれる酵素(チロシナーゼ)が、
酸素に触れると、チロシンというアミノ酸を酸化させ、メラニンを作るためです。
しかし、じゃがいもを加熱したり水に漬けたりすると、酵素がはたらかなくなるので、メラニンは作られなく
なります。
4.
× 生のパイナップルに含まれる酵素ブロメラインは、たんぱく質の繊維を分解し、肉を柔らかくする効果が
あります。
酵素は約60℃以上に加熱すると活性しなくなるため、パイナップルを加熱処理した缶詰を使っても、肉を
柔らかくする効果は期待できません。