管理栄養士 過去問 2019年度版 part 19 181~190
問題181
次の文を読み、問いに答えよ。
K産科クリニックに勤務する管理栄養士である。医師の指示のもと、妊婦の栄養カウンセリングを担当している。
妊婦は、30歳、妊娠28週目、初産婦。フルタイムの仕事(座位中心)をしている。
身長160cm、体重49.0kg(妊娠前45.0kg)、血圧132/80mmHg、空腹時血液検査値は、ヘモグロビン11.6g/dL、
血糖88mg/dL、LDL?コレステロール120mg/dL、HDL?コレステロール60mg/dL、トリグリセリド100mg/dL。
喫煙習慣なし。飲酒習慣なし。
前日の1日の食事内容を聞き取った(表)。平日はほぼこれに近い食事をしているという。
聞き取った内容を基に、栄養カウンセリングで、取り上げるべき重要課題である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(表 181)

1.主食の摂取量を増やすこと。
2.カルシウムの摂取量を増やすこと。
3.果物の摂取量を増やすこと。
4.野菜の摂取量を増やすこと。
正解→1
解説
1.○
・この妊婦は妊娠前のBMIが17.6と「やせ」なので、妊娠中の理想体重増加量は9~12 ㎏となります。
・30歳女性における身体活動レベルⅡの推定必要量エネルギーは1日あたり2000 kcalになっています。
また妊娠中においてはさらに1日あたり、妊娠初期(16週未満)では+50 kcal、中期(16~28週未満)では+250 kcal、
後期(28週以降)では+450 kcalを付加する必要があります。
・エネルギー量の50~65%が炭水化物からの摂取が目標とされています。この妊婦の場合は1日の必要なエネルギーは
2450 kcalで、約1200~1600 kcalを炭水化物から摂取することが望ましいと考えられます。
これらから考えると主食である炭水化物からのエネルギー摂取が少ないと考えられます。
2.×
カルシウムはヨーグルトや牛乳から摂取できています。
3.×
果物は朝食のりんごで摂取できています。
4.×
野菜はサラダから摂取できています。
問題182
次の文を読み、問いに答えよ。
K産科クリニックに勤務する管理栄養士である。医師の指示のもと、妊婦の栄養カウンセリングを担当している。
妊婦は、30歳、妊娠28週目、初産婦。フルタイムの仕事(座位中心)をしている。
身長160cm、体重49.0kg(妊娠前45.0kg)、血圧132/80mmHg、空腹時血液検査値は、ヘモグロビン11.6g/dL、
血糖88mg/dL、LDL?コレステロール120mg/dL、HDL?コレステロール60mg/dL、トリグリセリド100mg/dL。
喫煙習慣なし。飲酒習慣なし。
前日の1日の食事内容を聞き取った(表)。平日はほぼこれに近い食事をしているという。
妊婦は、自分の食生活について、特に課題はないと言う。栄養カウンセリングで、最初に行う内容である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(表 182)

1.料理をすることのメリットとデメリットをあげてもらい、デメリットを減らすアドバイスをする。
2.食事調査の結果を、妊産婦の食事バランスガイドに照らして説明し、どのように思ったか意見を聞く。
3.夫に家事を手伝ってもらうなど、ソーシャルサポートの活用を話し合う。
4.特にアドバイスはせず、困ったことがあれば、問い合わせてもらうよう、連絡先を渡す。
正解→ 2
解説
正解は【2】です。
この妊婦は「自分の食生活について、特に課題はない」とのことなので、行動変容ステージモデルにおける無関心気期
であるといえます。
無関心期においては、対象者が自分の現状を整理し、このままではまずいかなと気づいてもらうことが大切です。
そのためには、食事調査の結果を、妊産婦の食事バランスガイドに照らして説明し、どのように思ったか意見を
聞くことで、現状を理解してもらうことが必要です。
問題183
次の文を読み、問いに答えよ。
K市の市立保育園に勤務する管理栄養士である。保育園に通う女児A子(9か月)の母親への栄養の指導を行っている。
母親から、A子が家庭で離乳食をあまり食べないので心配との相談を受けた。
A子は、身長72.5cm、体重8.7kg。精神・運動機能の発達は良好である。
A子の出生時からの身長と体重の変化を乳児身体発育曲線に示した(図 183)。
A子の栄養アセスメントの結果である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1.体重は標準的な発育曲線であるが、低身長である。
2.身長は標準的な発育曲線であるが、低体重である。
3.身長、体重ともに離乳食開始後の発育不良が懸念される。.
4.身長、体重ともに標準的な成長状態である。
正解→ 4
解説
正解は【4】です。
乳児身体発育曲線は、乳児の発育の程度をグラフで示したものです。
A子の身長・体重の推移はパーセントタイルに沿ったなだらかな曲線を描いており、標準的な成長状態であると
考えられます。
問題184
次の文を読み、問いに答えよ。
K市の市立保育園に勤務する管理栄養士である。保育園に通う女児A子(9か月)の母親への栄養の指導を行っている。
母親から、A子が家庭で離乳食をあまり食べないので心配との相談を受けた。
A子は、身長72.5cm、体重8.7kg。精神・運動機能の発達は良好である。
離乳食の与え方について、母親にたずねた。現在、離乳食は歯ぐきでつぶせる固さで1日3回与えており、母乳は
欲しがるときに飲ませているという。この内容に対する栄養アセスメントである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(図 184)

1.月齢に応じた離乳食の与え方である。
2.月齢に応じた離乳食の調理形態として、不適切である。
3.月齢に応じた離乳食の回数として、多すぎる。
4.母乳を与え過ぎている。
正解→ 1
解説
正解は【1】です。
離乳後期である9か月~11か月頃の離乳食は1日3回、歯茎でつぶせる固さのものに進めていきます。そして離乳食の後に
は母乳又は育児用ミルクを与えます。更にそのほかに、授乳のリ ズムに沿って母乳は子どもの欲するままに、育児用
ミルクは1日2回程度与えます。
この母親は、離乳食は歯ぐきでつぶせる固さで1日3回与えており、母乳は欲しがるときに飲ませているということなので、
月齢に合わせた離乳食の与え方であるといえます。
問題185
次の文を読み、問いに答えよ。
K市の市立保育園に勤務する管理栄養士である。保育園に通う女児A子(9か月)の母親への栄養の指導を行っている。
母親から、A子が家庭で離乳食をあまり食べないので心配との相談を受けた。
A子は、身長72.5cm、体重8.7kg。精神・運動機能の発達は良好である。
栄養アセスメントの結果を踏まえた管理栄養士の発言である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(図 185)

1.月齢どおりの与え方ができていますね。あまり心配せず、見守ってあげましょう。
2.お子さんが食べやすい、ペースト状のおかずにしてはいかがですか。
3.食べないことが心配であれば、離乳食を2回に減らしてみては、いかがですか。
4.お子さんに母乳をあげる回数を、決めましょう。
正解→ 1
解説
正解は【1】です。
体重・身長ともに標準であり、離乳食の与え方も適切なので、このまま様子をみることが適切であると考えられます。
母親の不安な気持ちをくみ取って、今の離乳の進め方で間違っていないということを伝えます。
問題186
次の文を読み、問いに答えよ。
K総合病院に勤務する管理栄養士である。緩和ケアチームによるラウンドを行っている。
患者は、73歳、男性。昨年、膀胱がんに対して手術を行った。先月来院時に肺への転移が確認され、積極的治療を希望した
ため、再入院し、1か月の抗がん剤治療を開始した。
再入院時の身長165cm、体重60kg、血圧136/80mmHg、空腹時血液検査値は、赤血球410万/nL、アルブミン3.7g/dL、
尿素窒素14mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL。
治療開始後より、嘔気が出現し、食欲が低下してきたため、これまでの一般食の食事内容を見直した。
見直し後の食事内容の1例として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.ごはん、鮭のホイル焼き、肉じゃが、りんご
2.全粥、かれいの煮魚、切り干し大根の煮物、りんごゼリー
3.ピザトースト、グラタン、コーンスープ、りんご
4.ざるそば、冷奴、小松菜のお浸し、りんごゼリー
正解→ 4
解説
1.×
一般食とあまり変わりがなので、食欲がないときには適していません。
2.×
全粥、りんごゼリーは口当たりもよく食べやすいですが、切り干し大根は繊維質なので食べにくいと考えられます。
3.×
ピザトーストは飲み込みづらいうえに、全体的に脂肪分の多いメニューとなっているので好ましくありません。
4.○
抗がん剤治療の副作用として、吐き気、嘔吐、食欲不振などの症状が出るときがあります。
吐き気や嘔吐がある時は、刺激やにおいの少ないものを選び、冷たいものやあっさりしたもの、
口当たりのよいものなどが食べやすくなります。
問題187
次の文を読み、問いに答えよ。
K総合病院に勤務する管理栄養士である。緩和ケアチームによるラウンドを行っている。
患者は、73歳、男性。昨年、膀胱がんに対して手術を行った。先月来院時に肺への転移が確認され、積極的治療を希望した
ため、再入院し、1か月の抗がん剤治療を開始した。
再入院時の身長165cm、体重60kg、血圧136/80mmHg、空腹時血液検査値は、赤血球410万/nL、アルブミン3.7g/dL、
尿素窒素14mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL。
治療開始1週間後に、さらに嘔気が強くなり、食事摂取量が必要栄養量の1/3以下となり、体重も1週間で3%以上減少した。
この時点での栄養管理の方針である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.嗜好を重視して食事摂取量の増加を図る。
2.経鼻胃管チューブによる経腸栄養法を開始する。
3.胃瘻による経腸栄養法を開始する。
4.中心静脈栄養法を開始する。
正解→ 2
解説
1.×
嘔気が強いことが原因で食事をとれないので、嗜好を重視しても改善は望めません。
2.○
経鼻胃管チューブによる経腸栄養法を開始します。
経鼻胃管チューブを鼻から胃まで挿入し、経腸栄養剤を直接胃に注入する栄養方法です。経静脈栄養と比べて生理的な
栄養法であり、大きな合併症もなく管理もしやすい方法です。
3.×
咽頭や食道に病変がなく、嚥下障害もみられないので今の段階では適切ではありません。
4.×
静脈栄養法は生体に対して本来の生理的な栄養経路ではなく、危険な合併症が発症する可能性もあります。
そのため静脈栄養法はすでに栄養障害があるか、これから栄養障害の起こる危険性のある患者で経腸栄養が不可能な
場合に用いられます。
問題188
次の文を読み、問いに答えよ。
K診療所に勤務する管理栄養士である。居宅療養管理指導を行っている。
患者は、75歳、女性。脳梗塞を発症し、左片麻痺を患いながら自宅療養している。意識ははっきりしており、
嚥下障害は認めない。食事は買ってきてもらったレトルト粥、パン、牛乳などを自分で選んで食べているが、
摂取エネルギー量が500kcal/日と少ない。
身長146cm、体重35kg、空腹時血液検査値は、ヘマトクリット33%、赤血球380万/μL、アルブミン2.6g/dL、
血糖96mg/dL、トリグリセリド80mg/dL、尿素窒素11mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL。
今後の栄養管理である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.このままの食事を継続し、モニタリングを続ける。
2.主食をめしに変更して、1日の摂取エネルギー量を1,500kcalとする。
3.食事以外の水分摂取として、現状より500mL増やす。
4.間食として栄養補助食品(200kcal、たんぱく質7g)を追加する。
正解→ 4
解説
この問いでは「摂取エネルギー量が500kcal/日と少ない」という課題があげられています。
1.×
このままの食事を継続では、摂取エネルギー量の増加は不可能です。
2.×
飯に変更するだけで1000kcal分多くするのは現実的ではありません。
3.×
水分摂取は課題としてあげられていません。
4.○
間食として栄養補助食品(200kcal、たんぱく質7g)を追加することで、効率的に摂取エネルギーを増加させることが
出来ます。
問題189
次の文を読み、問いに答えよ。
K診療所に勤務する管理栄養士である。居宅療養管理指導を行っている。
患者は、75歳、女性。脳梗塞を発症し、左片麻痺を患いながら自宅療養している。意識ははっきりしており、
嚥下障害は認めない。食事は買ってきてもらったレトルト粥、パン、牛乳などを自分で選んで食べているが、
摂取エネルギー量が500kcal/日と少ない。
身長146cm、体重35kg、空腹時血液検査値は、ヘマトクリット33%、赤血球380万/μL、アルブミン2.6g/dL、
血糖96mg/dL、トリグリセリド80mg/dL、尿素窒素11mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL。
1週間後に再訪問したところ、体重が2kg増加していた。考えられる理由として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.浮腫の増悪
2.便秘
3.脱水の改善
4.体脂肪量の増加
正解→ 1
解説
正解は【1】です。
この文章からでは便秘の有無は伺えません。
また、1週間で体脂肪や脱水の改善による2キロの体重増加は考えにくいです。
一番考えられるのは、低アルブミン血症からの浮腫です。
問題190
次の文を読み、問いに答えよ。
K診療所に勤務する管理栄養士である。居宅療養管理指導を行っている。
患者は、75歳、女性。脳梗塞を発症し、左片麻痺を患いながら自宅療養している。意識ははっきりしており、
嚥下障害は認めない。食事は買ってきてもらったレトルト粥、パン、牛乳などを自分で選んで食べているが、
摂取エネルギー量が500kcal/日と少ない。
身長146cm、体重35kg、空腹時血液検査値は、ヘマトクリット33%、赤血球380万/μL、アルブミン2.6g/dL、
血糖96mg/dL、トリグリセリド80mg/dL、尿素窒素11mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL。
再訪問後の栄養管理である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.たんぱく質摂取量を増やす。
2.食物繊維摂取量を増やす。
3.増加させた水分摂取量500mLを継続する。
4.脂肪摂取量を減らす。
正解→ 1
解説
正解は【1】です。
低アルブミン血症による浮腫を引き起こしていると考えられるので、たんぱく質の摂取量を増やす必要があります。



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