管理栄養士 過去問 2019年度版 part 15 141~150

管理栄養士2019

問題141

メープルシロップ尿症の栄養管理に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1.エネルギーの摂取量を制限する。
2.分枝アミノ酸の摂取量を制限する。
3.シスチンの補充を行う。
4.食事療法の評価は、血中チロシン値を用いる。
5.食事療法は、成人期には不要となる。

正解→ 2

解説

新生児代謝異常のひとつである、メープルシロップ尿症は、分岐鎖ケト酸脱水素酵素の機能障害が起こる
先天性代謝異常です。
血中や尿中に分岐鎖アミノ酸が蓄積してしまうため、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)を制限する
必要があります。

1.×
エネルギーの摂取量を制限する。
→エネルギー摂取量の制限はありません。

2.○
分枝アミノ酸の摂取量を制限する。
→分岐鎖アミノ酸除去ミルクを用います。

3.×
シスチンの補充を行う。
→シスチンは含硫アミノ酸です。補充が必要になるのは必須アミノ酸です。

4.×
食事療法の評価は、血中チロシン値を用いる。
→食事療法の評価には、血中ロイシン値を用います。

5.×
食事療法は、成人期には不要となる。
→食事療法は、成人期以降も必要になります。

問題142

褥瘡に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

1.大転子部は、好発部位である。
2.貧血は、内的因子である。
3.十分なたんぱく質の摂取量が必要である。
4.亜鉛の摂取量を制限する。
5.30度側臥位は、予防となる。

正解→ 4

解説

この問題は「誤っているもの」を選択します。間違えないようにしましょう。

<褥瘡について>
◆原因
・外的因子:組織圧迫
・内的因子:低栄養(たんぱく質欠乏)、糖尿病、貧血、加齢
◆好発部位
・仙骨部
・大転子部
・尾骨部
・踵骨部
◆治療方法
・圧迫の除去、緩和
・高たんぱく質食
・水分補給

1.○
大転子部は、好発部位である。
→他には、仙骨部・尾骨部・踵骨部に好発します。

2.○
貧血は、内的因子である。
→他には、低栄養・糖尿病・加齢などが内的因子です。

3.○
十分なたんぱく質の摂取量が必要である。
→組織の代謝・再生に必要なたんぱく質を十分に摂取することが必要です。

4.×
亜鉛の摂取量を制限する。
→亜鉛欠乏が治癒を遅らせることが報告されており、亜鉛摂取量の制限は逆効果となります。

5.○
30度側臥位は、予防となる。
→長期間同じ部位の圧迫を避けるため、骨が当たりにくく、なるべく広い面積で体重を分散させる「30度側臥位」が
有効とされています。

問題143

地域における公衆栄養活動の進め方に関する記述である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。

1.PDCAサイクルに基づいた活動を推進する。
2.住民のニーズを把握するため、自治会を活用する。
3.活動を効果的に推進するため、関係機関と連携する。
4.住民の参加は、事業評価段階から行う。
5.行政栄養士は、コーディネータとして活動する。

正解→ 4

解説

この問題は「誤っているもの」を選択します。間違えないようにしましょう。

1.○
PDCAサイクルに基づいた活動を推進する。
→公衆栄養活動は、P(Plan:計画)→D(Do:実施)→C(Check:評価)→A(Action:行動)のサイクルで
活動を進めます。

2.○
住民のニーズを把握するため、自治会を活用する。
→活動には住民参加が大切なため、ニーズを把握するために自治会を活用することは有効です。

3.○
活動を効果的に推進するため、関係機関と連携する。
→保健・医療・福祉・介護や地域のコミュニティとの連携・協働を図ることが効果的です。

4.×
住民の参加は、事業評価段階から行う。
→住民参加は事業の計画段階(P)から行う必要があります。

5.○
行政栄養士は、コーディネータとして活動する。
→行政栄養士は、コミュニティや関係機関との連携を図るために、コーディネーターとしての役割を果たす必要が
あります。

問題144

最近の国民健康・栄養調査結果からみた、成人の栄養素等および食品群別の摂取状況に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1.鉄の摂取量は、50歳以上より49歳以下で多い。
2.食物繊維の摂取量は、50歳以上より49歳以下で多い。
3.脂肪エネルギー比率が30%E以上の者の割合は、女性より男性で高い。
4.果実類の摂取量は、男性より女性で多い。
5.乳類の摂取量は、女性より男性で多い。

正解→ 4

解説

1.×
鉄の摂取量は、50歳以上より49歳以下で多い。
→鉄の摂取量は、50歳以上:7.7~8.7mg/49歳以下:4.3~7.5mgで49歳以下の方が少ないです。

2.×
食物繊維の摂取量は、50歳以上より49歳以下で多い。
→食物繊維の摂取量は、50歳以上:14.3~17.4g/49歳以下:8.4~14.4gで49歳以下の方が少ないです。

3.×
脂肪エネルギー比率が30%E以上の者の割合は、女性より男性で高い。
→脂肪エネルギー比率が30%E以上は15~29歳の女性のみで、平均でも女性:28.4%/男性:26.9%と女性の方が高いです。

4.○
果実類の摂取量は、男性より女性で多い。
→果実類の摂取量は、男性:95.4g/女性:113.8gと女性の方が多いです。

5.×
乳類の摂取量は、女性より男性で多い。
→乳類の摂取量は、女性:138.3g/男性:132.8gと女性の方が多いです。

<参考:平成29年「国民健康・栄養調査」>

問題145

最近の国民健康・栄養調査結果からみた、成人の食塩摂取量に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.過去10年間では、減少している。
2.男性の摂取量は、10g未満である。
3.女性が男性より多い。
4.20?29歳が60?69歳より多い。
5.都道府県の上位群と下位群では、3gの差がある。

正解→ 1

解説

1.○
過去10年間では、減少している。
→平成19年:11.1g→平成29年:9.9gと有意に減少しています。

2.×
男性の摂取量は、10g未満である。
→男性:10.8g/女性9.1gで男性は10g以上摂取しています。

3.×
女性が男性より多い。
→男性:10.8g/女性9.1gで男性の方が多いです。

4.×
20?29歳が60?69歳より多い。
→20?29歳:9.15g/60?69歳:10.6gと60?69歳の方が多いです。

5.×
都道府県の上位群と下位群では、3gの差がある。
→都道府県では、上位群:10.1g/下位群:9.0gと約1gの差があります。

<参考:平成29年「国民健康・栄養調査」>

問題146

食料問題に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1.食料安全保障では、経済的事由による入手可能性は考慮しない。
2.わが国の総合食料自給率(供給熱量ベース)は、50%前後で推移している。
3.食料自給力とは、輸入される食料も含めた潜在的供給能力をいう。
4.食品ロスは、賞味期限切れによって廃棄された食品を含む。
5.フードマイレージは、食料の輸送量に作業従事者数を乗じて算出される。

正解→ 4

解説

1.×
食料安全保障では、経済的事由による入手可能性は考慮しない。
→食料安全保障では、不足時における最低限の食糧確保のため、経済的事由による入手可能性も考慮します。

2.×
わが国の総合食料自給率(供給熱量ベース)は、50%前後で推移している。
→総合食料自給率(供給熱量ベース)は、40%前後で推移しています。

3.×
食料自給力とは、輸入される食料も含めた潜在的供給能力をいう。
→国内の農地等をフル活用した場合、国内生産のみでどれだけの食料を生産することが可能か(食料の潜在生産能力)を
試算する指標のため、輸入食料は含みません。

4.○
食品ロスは、賞味期限切れによって廃棄された食品を含む。
→食品ロスには、食べ残し・傷み・賞味期限(消費期限)切れなどが含まれます。

5.×
フードマイレージは、食料の輸送量に作業従事者数を乗じて算出される。
→フードマイレージは食料の輸送量に「輸送距離」を乗じて算出します。
(単位:t・km トン・キロメートル)

<参考:農林水産省「日本の食料事情」>

問題147

開発途上国における健康・栄養問題の現状に関する記述である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。

1.欠乏症が多く認められる栄養素に、ヨウ素がある。
2.栄養不足人口は、増加傾向である。
3.栄養不足人口が最も多いのは、アジア・太平洋地域である。
4.5歳未満児の死亡率は、減少傾向である。
5.NCDは、増加傾向である。

正解→ 2

解説

この問題は「誤っているもの」を選択します。間違えないようにしましょう。

1.○
欠乏症が多く認められる栄養素に、ヨウ素がある。
→微量栄養素の欠乏で問題視されているものに、ヨウ素・ビタミンA・鉄・亜鉛があります。

2.×
栄養不足人口は、増加傾向である。
→栄養不足人口は、1992年:23.3%→2015年:12.9%と減少傾向にありましたが、近年は増加状況にあり一定の傾向は
示していません。

3.○
栄養不足人口が最も多いのは、アジア・太平洋地域である。
→栄養不足人口は、アジア・アフリカなどの太平洋地域が最も多いです。

4.○
5歳未満児の死亡率は、減少傾向である。
→5歳未満児の死亡率は、1990年:9.3%→2017年:3.9%と減少傾向にあります。

5.○
NCDは、増加傾向である。
→NCD(非感染性疾患)は、世界的に急増しており、2008年:約3,600万人→2030年:約5,500万人にまで増加すると
予測されています。

問題148

わが国の行政組織における公衆栄養活動業務に関する記述である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。

1.食品の安全性確保の推進は、内閣府が担っている。
2.食育推進基本計画の策定は、農林水産省が担っている。
3.特定保健用食品の表示許可業務は、厚生労働省が担っている。
4.飲食店によるヘルシーメニューの提供の促進は、都道府県が行っている。
5.疾病予防のための栄養指導は、市町村が行っている。

正解→ 3

解説

この問題は「誤っているもの」を選択します。間違えないようにしましょう。

1.○
食品の安全性確保の推進は、内閣府が担っている。
→食品の安全性確保の推進は、内閣府の食品安全委員会が担っています。

2.○
食育推進基本計画の策定は、農林水産省が担っている。
→食育基本法・食育推進基本計画の策定は、農林水産省が担っています。

3.×
特定保健用食品の表示許可業務は、厚生労働省が担っている。
→特定保健用食品の表示許可業務は、「消費者庁」が担っています。

4.○
飲食店によるヘルシーメニューの提供の促進は、都道府県が行っている。
→飲食店によるヘルシーメニューの提供の促進は、都道府県(保健所設置市及び特別区含む)が行うことが、
厚生労働省健康局の行政栄養士業務指針で示されています。

5.○
疾病予防のための栄養指導は、市町村が行っている。
→疾病予防のための栄養指導は、多様化する住民ニーズへきめ細やかな対応を図るため、地域住民に身近な市町村が
担っています。

問題149

公衆栄養関連法規の内容と法規名の組合せである。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1.特定健康診査の実施 ――――― 医療法
2.食品表示基準の策定 ――――― JAS法
3.食生活指針の策定 ―――――― 学校給食法
4.低体重児の届出 ――――――― 母子保健法
5.学校給食実施基準の策定 ――― 健康増進法

正解→ 4

解説

1.×
特定健康診査の実施 ――――― 医療法
→特定健康診査の実施は、厚生労働省が管轄する高齢者の医療の確保に関する法律 (昭和五十七年法律第八十号)に
基づいています。

2.×
食品表示基準の策定 ――――― JAS法
→食品表示基準の策定は、消費者庁が管轄する食品表示法に基づいています。

3.×
食生活指針の策定 ―――――― 学校給食法
→食生活指針の策定は、文部省・厚生省(当時)・農林水産省が連携して策定され、現在の食育基本法に基づいています。

4.○
低体重児の届出 ――――――― 母子保健法
→低体重児の届出は、母子保健法の第2条に明記されています。

5.×
学校給食実施基準の策定 ――― 健康増進法
→学校給食実施基準の策定は、文部科学省が管轄する学校給食法に基づいています。

問題150

栄養士法に規定された管理栄養士に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。

1.健康の保持増進のための栄養の指導を行う。
2.免許は、内閣総理大臣が与える。
3.就業届出制度が規定されている。
4.特定給食施設への必置が規定されている。
5.専門管理栄養士に関する規定がある。

正解→ 1

解説

1.○
健康の保持増進のための栄養の指導を行う。
→管理栄養士は、健康の保持増進の他、傷病者に対する療養のための栄養指導、特定多数人に対して継続的に食事を
供給する施設における栄養改善上必要な指導を行う者とされています。

2.×
免許は、内閣総理大臣が与える。
→管理栄養士免許は、厚生労働大臣が与えます。

3.×
就業届出制度が規定されている。
→管理栄養士は、就業届出制度ではなく免許制度です。

4.×
特定給食施設への必置が規定されている。
→特定給食施設への必置は、健康増進法で規定されています。厚生労働省の定める特定給食施設は、継続的に
1回100食以上または1日250食以上の食事を供給する施設とされ、管理栄養士の配置を義務としています。

5.×
専門管理栄養士に関する規定がある。
→専門管理栄養士は日本栄養士会が認定しているもので、栄養士法での規定はありません。

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